アバター作成①
アバター作成……、次回で終わる、、、でしょうか?
すみません。
後、人種説明、あった方が良いのかな???
どうするか考え中です。
気付きは疑問を連れて来た。
「もしかして西洋人しか居なくない? 白人みたいなアバターと黒人みたいなアバターしか見ないんだけど。後何か皆、顔の彫りが濃い気がするんだけど。」
白色人種の様なアバターと黒色人種の様なアバターは見たが、アジア系統の顔を見ない。黄色人種を含めて、だ。
髪色は色々なのだが、顔の作りが西洋系しか見ていない気がする。もしかすれば、細かな違いはあるのかも知れないが、人種が違うと中々その区別が付かないものだ。
ナンチャラ系白人とカンタラ系白人の区別やナンタラ系黒人とカンチャラ系黒人の区別が付かない、と言う奴だ。向こうからすると、日中韓の顔の区別が付かない、となる奴である。
『はい、現在スティル星で発見されているのは、地球で言うヨーロッパ系統の人種しかございません。』
「発見、ね……。って事は他の人種も居るけれど、発見されてないから選べない。発見されれば、アバター選択肢も増える?」
『お答え出来ません。』
「あ、そうなんだ。出来るんだ。」
実装される予定が絶対に無いならば、そんな答えは出ないだろう。逆に例えば数ヶ月後に実装予定があるならば「答えられない」とはなるまい。全ては攻略次第、と言う事だろう。ここでふと気付く。
「因みに課金しても選べないの?」
彼はネトゲも経験していないので、その辺りの基準が分からない。只、もし可能ならばお金の使い途の1つである課金がこの序盤前から始められる。それ故の質問だった。
『課金して頂くならば、他人種アバターの作成も可能になります。料金表は此方です。』
目の前に表が現れる。縦列に人種、横列に料金、交わる区間に○だの☓だのが記されている。
「何で人種が全部『???』なの? これでどう選べと?」
ざっと数が用意されているのは分かるのだが、人種内訳が全て「???」である。これでは文字通り、どう選べば良いか分からない。
『はい、横列の料金をご覧下さい。一番の低額設定が1万円となっておりますでしょう。』
「ん、そうだね。」
横列一番左の料金が光る。
『こちらを課金して頂きますと、○印が付いている人種の情報を1つ開示出来ます。更に開示した情報の人種でアバター作成をして頂くのであれば、また課金して頂く事になります。』
「つまり、この料金表は人種情報開示の為って事か。強気に見えるね、良くは分からないけど。」
次郎はサラッと料金の右側に視線を映す。安値順に1万→10万→15万→20万→50万→500万となっている。つまり一番高いのは500万程。開示にこれだけ掛かるとは驚きだ。序に言えば、50万→500万とはまた随分な差である。
「で、人種が新発見されたら課金無しで情報を見れるし、アバター選択出来る、と……。」
『お答え出来ません。』
「ああ、ありがとう。今のは只のヒトリゴトだから。」
値段が高ければ高い程、発見難易度が高い、或いは関連攻略シナリオが後ろに配置されているのだろう。そう判断して、次郎は暫し考えた。
「……うーん……、やっぱ全部気にはなるけど、特に500万の人種がなぁ……、気になるよな……。」
「???」の数は20個。つまり現時点で実装予定人種が20個あると言う事だ。地球の人種の数なぞ次郎は知らないが、一応、有名処(と称して良いのかは謎だが)は頭にある。黄色人種、白色人種、黒色人種の3つと……、褐色人種だ。
そして現在、スティルで発見されているのは、地球で言う白色人種と黒色人種と言う設定なのだろう。即ち課金しないならば、アバターは白色人種と黒色人種しか作成出来ないと言う事だ。そして恐らく課金すれば、黄色人種や褐色人種のアバターを作成する事が出来る。
「けど多分……、20種のアバター人種に、黄色人種と褐色人種が入ったとしても残りは18種……、その数の人種が世界に有るか無いかは分からないけど、そのまんまスティルにもあるって言うなら……、物足りない?」
魔法が存在する中世後期ヨーロッパモドキとくれば、やはり連想するのは亜人種だ。億ションに住み始めてから本格的に触れ出したサブカルチャーは、次郎にその意識を与えていた。
「獣人、エルフ、ドワーフ辺りが全く居ないってのもなぁ〜……。寧ろこの辺りが18種に入ってるんじゃ? エルフには『ライト』とか『ダーク』とか数種有りそうだし、獣人は動物の数だけ種類を分けられそうだし……。」
「ヒトリゴト」発言をしたからか、ぶつぶつ呟く事になっている次郎にトランス5万1270号は何も言わず、黙っている。
「どちらにせよ、課金すれば直ぐに分かるんだろうけど……。ちょっと勿体無い気がするし……。」
勿論、お金の話ではない。次郎が気にしてるのは、攻略クエストだ。自身でそれを解き明かしたいとまでは思わないが、こうしたストーリー的に重要と思われる要素を順序をすっ飛ばして答えだけを先に見るのは楽しみを減らす様で、それが「勿体無い」と感じるのだ。
「けど攻略されて解禁するのを待つ気も無いしなぁ。」
と言うかそれこそ勿体無い話である。
「そんで始めるなら、お金を掛けたいしなぁ。」
莫大なお金の使い途として、とうに課金を選択しているし、ゲーム開始前に課金システムを使う為に、既に必要登録手続きも済ませているのだ。
「使い途はアバターだけじゃないだろうけど……、やっぱり気になるんだよなぁ……。500万のアバター情報開示。」
廃課金ゲーマーと呼ばれる者が具体的に幾らくらい使うかは知らないが、彼等が使うとしたら多分、1万のアバターだろう。1万で情報開示出来るのは4つ。4つとも情報開示したとして、その中から1つ選ぶ訳だ。
「あ、実際に選択するなら更に課金しないと、か。その値段知らないと4つ共見るって中々出来る事ではないか……?」
『お気になるのでございましたら、僭越ながらこちらをご覧下さい。』
そう言うと、料金表の「???」が番号に変わる。そしてもう1つ別の表が出現した。縦列に人種、横列に料金。しかし縦列の人種は全て番号になっており、料金は情報開示より明らかに高い。それもその筈、しっかり「アバター作成費用」と横列は説明されていた。そのお値段は……、
高い。
料金表を確認した次郎は端的にそう思った。いや、彼の資産からすれば別に高くはない。只、「ゲームでこんなに金を掛ける奴が居るの?」と自身を棚上げ処か山上げした様な事を反射的に考えたのだ。そしてそれはそのまま口を吐いて出る。
「高いな! え、廃課金ってこんなに金を使うのが当たり前なの!?」
『当ゲームではまだ十分なデータが集まっておりませんので……、あ、すみません、これもヒトリゴトでしたか?』
次郎のヒトリゴトにしては大きい声で、故にトランス5万1270号は答え掛けたのだが、何となく言葉のニュアンス的に質問された訳ではないのかも知れないと予測した様だ。AIは順調に次郎の癖(?)を把握して来た様だ。
「え、あ、うん、みたいなもんだよ。」
自身でも完全なヒトリゴトだとは言い切れなかったが、別に返事を期待していた訳では無い。曖昧に頷く。
「それにしてもプロゲーマーとかYouTube○のゲーム実況者とかならともかく、普通にこんな金額を払ってもやりたいと思うものなのかな……。」
ぶつくさ呟き始める次郎。此方は完全にヒトリゴトだ。「ゲームを仕事とする人種」ならばともかく(プロゲーマーって課金するの???)、只、楽しみの為に一瞬でこんな金額を消費して、借金生活をする感覚が分からない。いや、借金生活は廃課金ゲーマーに対する勝手なイメージだが、「課金金額に見合う比率の金額を稼いでいるなら、廃課金ゲーマーとか言われないんじゃないか?」と言う疑問が小振りついているのだ。「思い込み」、と言い換えても良い。
それが正しいかはさておき。
次郎の目の前にはアバター作成料金表がある。相変わらず人種の欄は全て「???」となっているが、恐らくは情報開示料金表と順番は変わらないだろう。そして肝心の料金だが……、一番安いもので10万もする。と、言う事はだ、例えばだが1万で情報開示出来る人種を4つ共開示させ、その中からアバター作成を選択すると、合計で14万使う事になる。アバター作成の為に14万……、果たして廃課金ゲーマーは使うのだろうか???
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