シロの家
シロに手を引かれて洞窟の外に出る。
「るーんるーん助手できたーあたらしーい助手だー」
助手ができて嬉しいのだろう、るんるんと鼻歌を歌いながら手を引っ張ってくる。
さっきまでの堂々とした態度など霧散してしまったようだ。
自身で不老不死を名乗っていたがとても無邪気な子供にしか見えない。
俺も妹がいたらこんな感じなのだろうかと思うと
少し頬が緩んだ。
異世界に来た意味があるのだろうと思いたい。
◇◇◇◇◇
洞窟を出てしばらく獣道をゆくと小さな小屋があった。
体感30分洞窟からほどだ。
家の周りには銀色の蝶々が煌めいており異世界らしさを演出している。
「とーちゃーく今からナオくんの部屋空けるからお茶でも飲んでて待ってて。」
「わかった。」
家の中に案内されると昔家族と旅行で行ったログハウスに近いものを感じる。
てっきり狭い地下室に大鍋とかあって怪しい薬とかあると思ったのだがそんなことはなかった。
しかしそんなことも考える間もなく本やら書類やらが散乱しているのが目につく。
(これ片付けられないタイプのひとだな)
片付けようとするとひとつの本が気になった、タイトルは「魔法全書」だこの世界の言語で書かれているがしっかり読める。これ悪用したら英語テストとか簡単なんだろうなとか思いつつページをめくっていく。
基礎魔法に炎っぽい魔法のファイとか水魔法のボールがある。
魔法全書の教本通りに詠唱をおこなってみるが何も起きない、どうやら習得に速くて1月から半年程度はかかるらしいから気長に練習してみよう。
◇◇◇◇◇
一時間後
詠唱がとんでもなく面倒くさいことに気づいた俺は挫折していた。
「ナオくーん部屋の準備できたよー」
「いまいくよ」
シロに呼ばれたので作業を中断し奥の寝室らしき部屋押されながらに進む。この家も魔法でできているのか明らかに外から見たものよりも広い。
「ここがナオくんの部屋ねー」
「ベットが2つあるんですが…」
部屋の隅にはなにやらものが積んであるがそれ以上に気になったのがダブルベットだ。
流石にロリコンたるもの手は出さないと思うが、ほぼ初対面の男にこれはいかなるものが。
「人恋しいからいいでしょ、ねっお願い。」
「うっ…仕方ないですね。」
上目遣い白髪ロリだ、昨今アニメやマンガでしか見ない光景に俺は屈してしまった。
これに勝てるロリコンはいない。
崩壊しそうな理性を抑えつつ俺は答えた。
◇◇◇◇◇
軽い夜食を取りつつ特にやることもなく気疲れしたのかベットで寝ることになった。ちなみにご飯はパンと野草のスープだった、エルフの国の一般的な料理らしい。普通に美味しかった。
ベットにはいるとシロが布の服1枚で俺のベットに潜り込んできて真剣なトーンで言う。
「ごめんなさい、いきなり異世界なんかに呼んじゃって私身勝手よね。」
「そうだな…でもいいこともあった、シロに呼ばれたことだ」
「そうかな?」
「そうだお前が勇者になってくれだの大きな事を言われなくてよかったよ。俺はただの一般人だしな。」
「そう…そうだといいのだけど、ね…私のこと抱いてみない?」
ここはきっぱりロリコンとして断っておく。
「それは出来ない。」
「やっぱりこの身体じゃ魅力ないのかしら…」
「いや…そうじゃなくて俺はロリコンだからシロの身体は魅力的に見えるがこういうのはだなお互いをよく知ってからだ。」
勢い良く言い切る。
シロは驚いたような表情をしたあとに、
少し顔を赤くして嬉しそうな顔をする
「そう言ってもらえると嬉しいわね」
「責任も感じるし出切れば抱いてほしいのだけどもね」
「でも一緒に寝かせて寂しいの」
「それなら大歓迎だ」
シロの薄い布の服から伝わる体温は異世界であっても人の温かみを感じさせてくれるものであった。
「おやすみなさいナオくん。」
「おやすみ。」
そして俺は興奮して全然寝れないのであった。




