夜を歩く
夜が近くにある。
すすす、と薄暗くなる空に点々とつく星明かり。
橋の下にある川はせせらぎの音で流れていく。
坂道の勾配が曖昧になって、つづいていくような感覚。
塀の上の猫のシルエットと被さるような木々は揺れる。
一分一秒が滲み、月は昇る。
夜にいっとう甘く薫る花があるという。
次第に研ぎ澄まされていく嗅覚を頼りに、そんな花を探すためだけに夜を歩く。
夢のような足取りで。
たとえばどこにも、辿り着かなくてもいい、そんな心持ちで──
夜が近くにある。
すすす、と薄暗くなる空に点々とつく星明かり。
橋の下にある川はせせらぎの音で流れていく。
坂道の勾配が曖昧になって、つづいていくような感覚。
塀の上の猫のシルエットと被さるような木々は揺れる。
一分一秒が滲み、月は昇る。
夜にいっとう甘く薫る花があるという。
次第に研ぎ澄まされていく嗅覚を頼りに、そんな花を探すためだけに夜を歩く。
夢のような足取りで。
たとえばどこにも、辿り着かなくてもいい、そんな心持ちで──
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