ペンギン三兄弟 〜 29話 3つの願い の巻
ペンギン三兄弟
チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。
サングラスをかけている。つぶあんが大好き。
ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。
収集癖あり。
ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。
日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
今日も仲良く暮らしています。
チャンとゴンが、キッチンでかき氷を作っていました。
チャン「暑い日はコレに限るね」
ゴン「あれ、ドンは?」
チャン「まだ寝てるんじゃない?」
ゴン「起こしにいくか」
チャンとゴンは、ドンの部屋をノックしました。
チャン「おーい、ドン、起きろよ」
返事がありません。
チャンとゴンは、ドアを開けて、
ドンの部屋へ入りました。
チャン「しかし、ゴンの部屋もそうだけど、ドンの部屋もモノでいっぱいだなあ」
ゴン「あ、これ、魔法のランプみたいだなあ」
ゴンは、ダンボールの上にポンと置いてある、古いランプを取り上げました。
ゴン「こういうのって、こすると魔法使いが出てくるんだよね」
ゴンは、ランプをこすってみました。
キュ、キュ、キュ
すると、ランプの口から白い煙がモクモクと立ち昇り、大きな魔法使いが現れました。
『よばれて飛び出てジャジャジャジャーン!』
ゴン「うわ、ほんとに出てきた!」
チャン「あれ、ハクションなんとかじゃないの?」
ドン「あれ、みんな何してんの?」
やっと、ドンが目を覚ましました。
ゴン「このランプこすったら、なんか出てきちゃったよ」
チャン「ドン、魔法のランプなんか持ってんの?」
ドン「えー?こないだ骨董屋で買ったランプだよ」
『ご主人様、あなたの願いを3つ叶えます』
ゴン「おい、どうする?」
チャン「願いごと叶えてくれるって」
ドン「やった、ラッキー」
ゴン「アイス一年分もらう?」
チャン「せめてウナギの蒲焼きとかにしようよ」
ドン「食べ物じゃない願いごとってないの?」
ゴン「新しいゴジラフィギュアがいいかなあ」
チャン「スポーツカーもいいなあ」
ドン「人間にしてもらうのは?」
ゴン「人間!?」
チャン「ああ、そういうこともできるんだ」
ドン「3つの願いだから、3羽とも人間になれるよ」
ゴン「それいいね、そうする?」
チャン「うん、それがいい」
ゴン「それじゃあ、おれを人間にして!」
『おやすいごようです』
魔法使いは、ゴンに魔法をかけました。
『ピロピロぴーん』
ゴンは、スマートでちょっとマッチョな人間になりました。
チャン「じゃあ、オレも人間にして!」
『おやすいごようです』
魔法使いは、チャンに魔法をかけました。
『ピロピロぴーん』
チャンは、スマートでちょっとシブい人間になりました。
ドン「じゃあ、ぼくも人間にして!」
『おやすいごようです』
魔法使いは、ドンに魔法をかけました。
『ピロピロぴーん』
ドンは、スマートでちょっとちっちゃい人間になりました。
ドン「人間でもちっちゃいんだ...」
チャン「おーい、ドン、起きろよ」
ゴン「かき氷作ったよ」
ドンが目を開けると
チャンとゴンのペンギンフェイスが並んでいました。
ドン「なーんだ、夢か...」
ドンはちょっとがっかりしました。
チャン「ドンは氷に何かける?」
キッチンからチャンの声が聞こえます。
ドン「いちごミルク〜」
ドンは、キッチンへと走って行きました。
部屋の片隅のダンボールの上には、
古いランプがひとつ、ひっそりと置いてありました。
おわり