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四季怪々 僕らと黒い噂達  作者: 島倉大大主
Chapter0
1/57

Opening

 やあ、どうもこんばんは! 皆さんご存知、『オッサン』こと、ユウジロウです! 


 さて、本日はこのような場所――ああっと、見えますか? 一応解説しますと、車の中、しかも雪、つまり氷で周りをカチンカチンに固められた車の中からお届けいたしております!

 いや、はは、視聴数が稼げなくて過激な事をやり始めたんじゃないですよ。元々、僕の番組はそういうのをあまり気にしないでやってますしね。まあ、コメント欄の常連の皆さんは、やれやれ、まーだ、あの話の続きやってるのかよ、と書き込んでおられるかもしれません。はは、そうですそうです。その通りなんです。

 でも、今回だけは勘弁してください。今日はもしかしたら最後、命的に最後の可能性がありまして、ですので今回は遺言っていいますか、最終回、涙の総集編スペシャルの素材みたいなノリで録画しております。

 いやあ、さっきまで山あり谷あり、注射は打たれる、車は転がる、意識は無くなるで、もう……ほらっ、フロントガラスなんて血がべったりですよ! 僕の顔も血がべったり!

 あれ? これ年齢制限に引っかかるかな? まあ、それは生きてたら後で心配すればいいかな……。


 ともかく、あの馬鹿野郎は多分、もうこの世にいないと思います。ご遺体は『普通じゃない』状態になってると思いますが、仮に僕が生還できなかった場合、これは証言になるかもしれないですね。

 いや、警察の人と例の『屋敷』と『落書き』の時、仲良くなっといてよかったですよ。カニさん、見てます? 僕は今の所元気ですよー。


 えー、というわけで、何故に僕が今現在、こんな風になっているか? そもそも僕の番組はどうしてあんな感じになったのか? この謎は番組の後半……僕がまだ凍死していなかったら判るような構成になっておりまして……いや、そういう感じに編集してね、ばーちゃん? 

 まあ最初から喋らないと、色々と説明がつかない状況なんですね。勿論、この機会に『裏話』というか『色々問題があって表に出せなかった話』、または『ヤバい、もしくは誰も信じないので表に出せなかった映像』も交えていこうかと思います。


 とはいえ、さっきまで僕が体験していた事が、この町、いや、全国規模で起きているのだとしたら、どの映像を出しても、何を話してもネットが荒れる事はないと思うんですけど……いや、『落書き』関係は無理かな? うーん……事件関係者にも肖像権ってのはあるか。


 ま、ぶっちゃけ長々と話すのは、今現在、めっちゃ寒いんで、雪山で遭難した時に寝ると死ぬってやつで、助けが来るまで、寝ないようにするってのが結構大きな理由だったりするんですよね。ですからカメラのライトはカット、画質もちょっと落として、音声優先でね、もうこのカメラ普通の物になってるし、そうすりゃバッテリーも――大丈夫だとは思うんだけど、うーん、もし長丁場になったら、どうなるかわからないなあ……。


 さて――まずは事の発端、かな?

 ……あー……今振り返ってみると、ちょっと恥ずかしい話だったな、あれは。

 皆さん、ご存知の第一回。あれ、この前観なおしたんですけど、僕の顔、作り笑いが半端なくてですね、あの時は、その場でチェックして撮り直しとか全然思いつかなかったんですよね。委員長が本腰入れてくるのは第一回をアップした後だったからなあ……。


 いつも通りこの番組は関係者各位の名前は伏せて、渾名で呼びますんでよろしく。


 さーて……張り切っていきましょうか?


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