第7話
入学式が終わり。
ホームルームも終わり。
なんと初日から授業だった。
「それでは午後はダンジョンに潜りますので各自お昼が終わったらブリーフィングルームに集まるように!」
担任の細身の男性教師がそう告げて教室を出る。
授業が終わったのでプライベート用の端末の電源を入れる。
すると、電話を知らせるコール音がなった。
「もしもし?」
「あ、やっと繋がった! お兄様! お昼ご飯一緒に食べましょう!」
義妹よ、やっと繋がったとはどういうことだ? まさか授業中にかけてないよな?
「いいぞ。外は嫌だからどこで食べる!」
「お兄様! せっかく私がお弁当を作ってお外で二人きりで食べたかったのに!」
「いや、日差しでてるじゃん? いい木陰ないじゃん!」
校庭に弁当を食べるいい木陰はない。いや、木などが植えられてはいるのだが、その下で弁当を食べれるような状態ではないのだ。
「ぐぬぬ、わかりましたどこか無人の教室を探して食べましょう! 今から向かいますので待っててくださいね!」
そういうと電話が切れた。
「食堂のテーブルではいけないのかね?」
あと、金髪縦ロールこと花菱京香もくるであろうことを予想して教室の後ろの扉の前で待機する。
ガラッ!
勢いよく扉が開く。
あの開き方は花菱ロールだろう。
間違った金髪縦ロールだろう。
それと同時に俺は教室をでる。
「羅栖墓様! あら? 羅栖墓様はどこですの?」
すぐ近くにいた生徒がいましがた出て行ったと教えたのだろう。
花菱京香が教室を出る。
それと入れ替わるように教室へ入る。
「ふう、これで避けれたかな。」
破滅の女神とはできるだけ距離を取りたい。
廊下から「羅栖墓様待って~!」という声が聞こえてきたが気にしない。
しばらく待つと教室に千聖が入ってきた。
教室に残っている奴らの注目を浴びる。
「可愛くね?」
「おいおいあれ中等部の制服だろ?」
千聖は黒髪長髪の和風美人だ。
目立つのも無理はない。
一部のマニアに隠れヒロインと言われるだけはある。
「お兄様!いきましょう!」
千聖が俺を見つけるなり手をとってそのまま連行されてしまった。
「ここにしましょう!」
入った教室は科学室なのか、人体模型や薬品棚などがあった。
「食堂じゃダメなのか?」
「ダメです! 二人きりになれないじゃないですか?」
そう言うと千聖がにじり寄ってきた。
ちょっと近すぎるので止める意味も込めて頭をポンポンとした。
「千聖お前俺にべったりしてると彼氏できないぞ?」
「むぅ! 私これでもモテるんですよ!」
頬を膨らませてめっちゃ可愛い。
「じゃあ彼氏はいるのか?」
「ふふっ気になります?」
「いないならいいよ。」
「もうっ!いませんけど! 私はお兄様一筋なんです!」
死ぬまで付き合ってくれる子だ、ブラコンだと思ってたがここまでとは。
「それに私とお兄様は結婚できるんですよ?」
衝撃の事実だった!




