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第5話

「花菱さん落ち着いて。」


さっきから金髪縦ロールが揺れてうるさいので落ち着かせる。


「だから! 私の質問に答えなさい! なぜ我王グループを縮小させるようなことをしたの!」

「ニュース見たんでしょ? 我王羅異堕は非人道的なことを行っていた」

「たかが魔族如きで?」


その言葉は禁句だ。ニュースを見たのなら俺が魔族差別を嫌っていることは読み取れるだろうし、そもそも差別意識のあるやつとは付き合う気はない。


「てめぇ! 魔族如きだと? いやいい! てめぇみたいなクソな価値観に真面目に向き合うだけ無駄だ! 俺がお前を消したいと思う前に失せろ!」


俺はどす黒いオーラを放出させながら怒鳴った。


「ひっ!」


悪役令嬢の京香は顔面蒼白になりながら車に逃げ帰った。

閉めたドアにスカートの裾が挟まっていたが教えてやる気も失せたのでそのままにしておく。

京香は車の窓を開けて捨て台詞を吐いていった。


「あ、あなた! 私にこんな態度をとって! 花菱家は黙っていませんのよ!」


花菱家って確か貿易かなにかで大きくなったグループだよな?

我王グループになにかできるとは思えないので放っておく。


「とりあえずこれで婚約はなくなったかな?」

「羅栖墓様。正式に断りを入れたわけではございませんので」

「いや、相手の令嬢脅したんだけど?」

「大きなグループの前では小さなことです。それに花菱家のお嬢様は強いお方が好きだとか。」

「おい!」


なんか鬼平が悪役令嬢を推してくる。


「いえいえ、ただ婚約に関しては一度腰を据えてお話しされた方がよろしいかと」

「わかったよ。脅しをかけて婚約成立相手とかMか完全にうちのグループの犬になりにきてるよな?」

「我王グループは世界でも屈指のグループでございます。」


暗に傘下になりたがるグループはいっぱいいるということか。


「そんなグループが魔族を迫害していたとは……」


俺はそら恐ろしい思いだった。



◇◆◇◆


「なによ! あの態度! 私との婚約の条件が日本国から魔族の排除を手伝うことじゃなかったの?」


花菱家は羅栖墓が魔族を保護したことは周知の事実としていたので娘の京香にはなにも言っていなかったのだ。


「私だって好きで魔族を悪く言ってるわけじゃないのに! あれじゃ私だけが魔族を排除しよとしてるみたいじゃない!」


世の中に疎いお嬢様は知らなかったのだ。


「でも、あの気迫……濡れましたわ」


何がとは言わないが帰ったらシャワーを浴びなければならないだろう。


「窪田!」


京香が呼ぶと車の運転席を隠していた黒いガラスが下りる。


「我王羅栖墓のことを調べて!」

「承知いたしました!」

「フフッ!彼の強さが見たくなりましたわ」


羅栖墓の考えは見事に外れているのだった。

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