第40話
今日は新人大会3位決定戦と決勝がある。
3位決定戦は花菱京香VS佐摩妖魔
佐摩妖魔は細剣と魔法を組み合わせて攻撃してくる。
ちなみに動きながら魔法を使うのは難しい技術なので佐摩妖魔は強い部類になる。
「花菱...京香...魔法」
佐摩妖魔がブツブツと何か言っている。
「お手柔らかにお願いしますわ」
3位決定戦とはいえ、学年トップクラスの戦いだ注目度は高い。
お互いが構えたところで試合が始まった。
花菱さんが開幕から弾幕張る。
俺と訓練している時は威力を殺して凄い数だったが、今は1発1発に威力があるため数は減っている。
「フヒッ!」
佐摩妖魔が変な笑い方をしながら魔法を避ける。
俊敏な動きでなかなか捕まりそうにない。
「もらった!」
佐摩妖魔が花菱さんに徐々に近づきついに距離を詰められた。
「ここですわ!」
佐摩の攻撃が届きそうになった時花菱さんが動いた。
後ろにバックステップをする。
「ヒヒッ!逃がさんぞ!」
佐摩が勢いのまま突っ込んでくる。
凄まじいスピードだ。
花菱さんに一瞬で追いつく...と思ったとき佐摩の足元が光った。
「甘くてよ?」
眩しい光が佐摩を包み込む。
しかし佐摩は笑っていた。
光が収まり佐摩がいた場所を見ると、そこに佐摩はいなかった。
「ヒャッハー!」
奇声と共に花菱さんの頭上から佐摩が襲いかかる。
「キモイですわよ!」
しかし花菱さんは動揺したわけでもなく、腰を据えて待ち構えていた。
スリットの入ったドレス型戦闘服の隙間から生足が見える。
そこに目が行くのは男なので許してほしい。
観客がその美しい姿に魅入られた一瞬、今度は花菱さんが光に包まれる。
「魔力纏!風!」
花菱さんが頭を下にして落ちてくる佐摩を蹴り上げる!
あれは、絶対見えてる!
佐摩は避けるのは無理と判断したのか相打ち覚悟で細剣を花菱さんに合わせる。
しかし、花菱さんは蹴り上げたかに見えた足がそのまま回っていき...
1回転して逆の足での回し蹴りをしたのだ。
光で視界を奪っていたので1回転により細剣のコースから外れた花菱さんを佐摩は認識できていない。
しかし佐摩もただ突っ込むだけではなく魔法を放ちながら突っ込んだ。
花菱さんの蹴りが佐摩を捉える。
その時一緒に魔法も被弾してしまうが、強烈な一撃が佐摩に入った。
バゴーン!
壁に叩き付けられた佐摩と魔法を被弾した花菱さんが倒れこむ。
だが、花菱さんはなんとか立ち上がった。
佐摩の方を見て構える。
しかし佐摩は立ち上がることなく粒子になって消えた。
この時点で花菱さんの勝利が確定した。
花菱さんが満面の笑みで喜んでいた。
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『Sランクパーティから追放された不遇職エンチャンターは底辺から成りあがる~恋人にも見捨てられたのでざまぁを執行します~』
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