第4話
「鬼平!」
「はっ!」
「我王羅異堕は当主としての力を失った!これからは俺が当主となることに異論はあるか?」
「はっ! 異論ございません! 我王家の当主の条件として”力”は絶対的な判断基準でございます」
現当主倒せばトップに立てるのね。
それはそれで組織として大丈夫か心配になってくるが、今は都合がいいので受け入れておこう。
「無論我王グループの会長の座も羅栖墓様のものでございます!」
「え?」
そういやこいつどっかの財閥のお坊ちゃまだったな。
「か、会長としての仕事は?」
「はっ! 年に1回の総会と我王グループ主催のイベントへの参加等が主になります」
「実務はないか?」
「はっ! ございません! 実務は各社長及び役員が協議のうえ決めております」
良かった。
とりあえず俺は神輿として担がれていればいいらしい。
「俺が介入することは可能か?」
「はっ! 会長の言は絶対でございます!」
「そうか」
あのクソ親父のことだ何か変なことやってるに違いない。
「鬼平! 前会長のやっていたことで俺が気に食わなさそうなことがあったら報告すること! ちなみに種族関係なく迫害行為は最重要事項だ!」
「ハッ!魔族を対象に人体実験が行われている研究所がございます!」
「何?」
怒りが沸々と沸いてくる。
「鬼平! 魔族を迫害したらこの国ではどういった罪に問われる!」
「はっ! 命をいくつも奪ったのなら極刑。暴力的に扱うのなら懲役刑でございます!」
「そうか、親父のやっていたことの証拠を”全て”集めて警察に突き出せ!」
「はっ!」
「それから今現在我王グループで扱っている魔族の保護、その他人道的な対応を取るように!」
この後、出るわ出るわ真っ黒なホコリ達。
俺はそれを全部公表し粛清した。
我王グループはさんざん叩かれ組織として終わると思われたが、我王グループのもつ技術力が圧倒的すぎて世の中から完全排除とはならなかった。
勢いで粛清したけど危うくいくつもの会社を倒産させるところだったと気づいたときは冷や汗が出た。
俺の名前は世間に知れ渡り、我王グループ唯一の救いといわれている。
そんなこんなで世間を騒がせた俺も来週から高校生です!
我王グループ会長としての仕事はほとんどないので破滅エンドにならないように立ち回っていかなければならない。
当面の問題は……。
「やっと会えましたわね! 許嫁をほっておくなんて男の風上にも置けないわね!」
俺の破滅への女神! 金髪縦ロールの口の悪い女、『花菱京香』である。