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第39話

「私ね始祖なの。」


ビックリカミングアウトである。


「始祖?ってあの始まり的な始祖?」


「厳密には始祖の血を濃く発現させた先祖返りなの。」


「先祖返り?」


「うん。先祖返りはね、羽が出せるの。」


そう言うとユハナは上着を脱ぎ下着姿になった。

俺は目を逸らそうかと思ったがそのあまりにも美しい‘‘姿‘‘に魅入ってしまった。


「これが先祖返りの証。」


ユハナの背中には2対の羽が生えていた。


「綺麗だ...」


俺は思わず呟く。


「ッ!」


ユハナが顔を真っ赤にして服で身体を隠す。


「あっ!ご、ごめん!」


俺は視線を外した。



「えっち...」


「ん?なんかおかしくないか?」


ユハナが自分で脱いだはずだ。


「羅栖墓のえっち...」


「そんなか細い声で言われたら罪悪感半端ないんですけど!」


俺はユハナが服を着られるように部屋を出ようとする。


「早く服きろよ?」


「いい!」


ユハナはそういうとサッと服をきた。

気を使って部屋を出なくてもよかったらしい。


しかしユハナは着やせするタイプだったと分かった。

別に大きいとは言わないが服の上から見るよりも意外とボリュームがあった。


「羅栖墓は聞いたことある?」


「何を?」


「吸血鬼の始祖の血を飲むと不老不死になるって話。」


「...なんか、ベタだな?」


「ただの噂。始祖がいない今不老不死自体が眉唾物。」


「そうなのか。」


「うん。でも始祖の血を飲むと神と同等の力になるっていう話もある。」


「ん?神?」


「うん。神が確認されたわけでもないのにそんな噂もある。」


「ありえない噂よりもその‘‘始祖の血‘‘になにかあるって匂わせる話に聞こえるな。」


「そうかも。」


「つまり、始祖の血を持っているというだけで誰かに狙われるってことか?」


「そう。過去に始祖の先祖返りが確認されたときは世界中から狙われたって話を聞いた。」


「世界中...」


ゲーム時代にないこと、もしくは出来なかったことが当たり前に起きている。

ゲームの知識を信じすぎるのも危ないかもしれない。


「でもよくそんな話知ってたな?もしかして有名な話なのか?」


ユハナが首を振る。


「これは吸血鬼の1部しか知らない情報。他の人たちにはきっと吸血鬼同士で争ってるぐらいの認識しかないはず。」


吸血鬼同士で争っている話は聞いたことがある。

吸血鬼の王(ヴァンパイアロード)がいた時代、人間と交流を深める革新派と、今まで通り吸血鬼第1主義の保守派で別れ、やがてそれが殺し合いまで発展したとか。


「そうか、とにかく始祖の血はバレない様にした方がよさそうだな。」


「うん。」


吸血鬼の中では割と有名な話なのか分からないが、‘‘人間側‘‘にも知っている奴はいるはずだ。

そんな大きなことが隠し通せるとは思えない。


俺達はそこで話を終わり夕食に向かった。

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