第38話
本日ラスト!
試験会場には入れないので学園長室で待っていた。
「お兄様一応きいておきますが、勝手に学園長室に入っていいのでしょうか?」
「ん?ああ大丈夫だ!」
「そうですか...はぁ。」
千聖がなにやら心配しているようだが、一般生徒を調査に使う学園長だ遠慮はいらない。
そう話していると、学園長達が帰ってきた。
「お、お主らいたのか無事試験は終わったぞ。」
学園長が一瞬ビックリしていたが、俺達の姿をみて声をかけてきた。
「お疲れ様です!ユハナもお疲れ!」
花菱さんや千聖もユハナを労う言葉をかけていた。
「それで学園長結果はいつでます?」
「おお、それじゃが試験は合格じゃ!来週から通えるぞ。」
「え!来週ってすぐじゃないですか。」
「ああ、準備が必要なら遅らせてもええぞ。」
「いえ、それは大丈夫です。」
「それとな、この時期に都合上転入ということにするのじゃが、ご両親が亡くなって親戚の我王家に世話になっているということで話を進めてもよいかの?」
俺はユハナを見る。
ユハナは俺と目が合うと、コクリと頷いた。
「本人が了承してるなら。その理由だと変に過去を聞いてくる人も少なくなりそうだし。」
こうしてユハナの入学が無事決まった。
「学園長!」
「なんじゃ?」
「ユハナの試験はどういったのだったんですか?」
「ああ、魔法の試験をしただけじゃよ。」
ガッツリとした試験じゃなかったらしい。
「いいんですか?」
「ああ、我王家にはお世話になりっぱなしじゃからな。」
裏口入学ってやつか?
「あ、ありがとうございます!」
俺は素直に礼を言った。
まぁ試験落とされても我王家の力でどうにかしようと思っていたので、結局裏口入学になるのだが。
試験をしただけマシとぴうことにしておこう。
「では、ユハナの入学の準備を早速したいと思うので失礼します!」
俺達はユハナを連れて外に出た。
「ユハナ。」
「ん?」
「試験どうだった?」
俺達は帰りながら試験のことについて聞いた。
「試験は私の魔法を見せて学園長が採点しただけ。」
「へぇ~。本当に簡単な内容だったんだな。ちなみにどんな魔法使ったんだ?」
「重力魔法。」
「「「重力魔法!?」」」
花菱さんと千聖と俺の声が重なる。
また、ゲームに出てこない魔法だった。
「うん。それも含めて家に帰ったら羅栖墓に話がある。」
「俺?」
「うん。まずは羅栖墓に聞いて欲しい。」
最初に俺に話しておきたいこととは何だろうか。
「それは、私達にも話せることですの?」
ユハナは首を振る。
「羅栖墓が話すと決めた相手ならいいけど、私自身あまり話したくない。」
「そうか、分かった。花菱さん、千聖悪いけど基本的に話さないと思うからこのことは忘れてくれ。」
本人が話したくないと言っていることを俺が話すわけにもいかない。
「分かりましたわ。」
「お兄様がそういうなら。」
花菱さんと千聖が了承の意を示す。
「ありがとう。」
俺とユハナは話すために家につくなり俺の部屋に入った。