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第35話

俺達は居間でふくれっ面のお姫様を宥めていた。


「ごめんって!お詫びにお菓子買ってあげるから!」


「むぅ~!また小さい子扱いした!」


「お兄様これ以上いじるのは可哀想なので...」


「ああ、わかった。ユハナはいくつなんだ?年齢を聞かないことには学年がわからないだろ?」


「120歳!」


「そうか...そろそろ人間卒業しそうだな。」


「人間じゃない!私は魔族!吸血鬼!」


年齢聞いた時に人ではないと思っていたが吸血鬼とは、血の確保が必要だ。


「学校は通えるのか?1回卒業したら無理だろ?」


「大丈夫、卒業はしてない。」


「なら大丈夫か...学園に掛け合ってみるから、その間ユハナは試験の準備だな。」


「うん!」


パアっと満面の笑みがこぼれる。


「ユハナさんは血はどうしたい?血液パックなら心配ないけど。」


吸血鬼は血の確保が重要だ。

血液は取り寄せのみで購入できる血液パックか、献血人を雇うのが一般的だ。

パックは好きな量を飲めるが、新鮮さがなく味が落ちるらしい。

献血人は、直接血を吸えるため新鮮だが、雇うお金や飲める量を考えると物足りない方が多い。


ユノハは少し考え俺を指さした。


「普段は血液パックで、週1で羅栖墓を飲みたい!」


「ん?俺?」


「そう、羅栖墓の少し飲んだけど凄く元気が出た。」


どうやら俺の血液は元気が出るらしい。


「まぁ、週1ぐらいならいいが。」


吸血鬼は、そもそも飲む量が少ないので毎日でなければ問題ない。


「とりあえず今後の方針は決まったかな。」


「ユハナさん良かったら明日学園にこない?ちょうど新人大会も開かれるし。」


「行く!」


ユハナが食いついてきた。


「そうだな、ついでに学園長に話しておくか。」


俺たちは明日の計画を立てつつ就寝した。

翌日。


「ユハナ?」


俺はユハナの恰好をみて首をかしげる。


「なんでメイドなんだ?」


「服、まだ買ってないの。」


「千聖から借りればいいじゃないか?」


「...合うサイズがなかったの。」


「お兄様!決して私が太ってるわけではないですからね!」


千聖が必死に弁明している横で、ユハナは悔しそうに胸元を抑えていた。


「あ、ああ!分かってるよ千聖!身長が合わなかったんだろ?」


「そうなんです!身長なんです!」


ウチは、何名かのメイドさんを雇っているためメイド服のストックは多いのだ。


「まあしょうがないか。」


「皆様おはようございます!」


花菱さんが我王家の門の前に現れた。


「花菱さんおはよう。」


「あら?もしかしてあなたがユハナさんですか?」


メイド姿のユハナを一瞬で見抜いた花菱さん、よく本当のメイドじゃないとわかったな。


「うん。」


ユハナが俺の後ろに隠れながら返事をする。


俺たちは互いの紹介を終え学園に向かった。

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