第31話
「そうか、今週は新人大会で授業ないんだったな。大会はどこまで進んだ?」
「今は、100人にまで絞られてますわ!」
「人数多いな!」
「250名程出場してますので。」
ちなみにユハナはお家待機中だ。
「花菱さんと東堂さんはいつ試合?」
「この後すぐありますわよ。」
来栖や網谷は負けたらしい。
来栖は弱いから仕方ないとして、網谷はなんと赤獅子と当たったらしい。
「花菱さんも、東堂さんも頑張ってね!」
「ええ、ありがとうございます!絶対結婚までこぎつけますわ!」
「うん、今度こそ赤獅子を倒す」
花菱さんは頑張る方向を間違えているようだが、東堂さんは気合十分だ。
2人を見送ったあと俺は会場に行く。
会場はコロシアム型になっており、戦う場所は大型のモニターがいくつか取り付けられている。
全試合見せるのは無理なので、いくつかの試合が映し出されるのだ。
応援してる人が放送されてないなら直接見に行くしかない。
今日でベスト8まで絞られる予定なので、花菱さんと東堂さんは残るだろうと思っている。
俺は会場にあるモニターに目を向ける。
「あれは……」
画面には、赤獅子VS樺澤と表示されていた。
その試合は一方的だった。
赤獅子は一歩も動かす樺澤という奴の攻撃をいなしていた。
樺澤は覚悟を決めたように力を溜め始めた。
しかし、赤獅子は樺澤の渾身の一撃を片手で防ぎ、そのまま殴り倒した。
まさに圧倒的王者にふさわしい完勝だった。
「赤獅子……やばそうだな」
「フフフ!そうだろう! 赤獅子様は最強なのだ!」
「ゲッ!」
いつかの赤獅子大好き青年だ。
「君ここにいるってこてことは負けたのかい?」
「いや、出場してない」
「そうか、まぁ気落ちするなよ」
どうやら信じていないようだ。
「赤獅子ってどこが凄いんだ?」
「赤獅子様の凄いところはね、まず5大元素魔法を使えることさ!」
「5大ってあの?」
ゲーム中赤獅子は雷魔法しか使ってこなかった。
「火、水、風、地、雷どれも一級品さ!その中でも特に雷魔法は雷の精霊のおかげで桁外れさ!」
「雷の精霊?」
「君、信じてないね!雷の精霊自体眉唾ものだから仕方ないのかもしれないけど、まあいずれにせよ赤獅子様の強さは絶対的ということさ!」
「そんな強いのか1回戦ってみたいな。」
「はは! 興味本位ではやめておいた方がいいよ! トラウマになってしまうからね!」
こいつ色々と教えてくれて意外といいやつではないか、名も知らない赤獅子大好き青年よ。
「それじゃ! 僕は直接赤獅子様を見るために移動するよ!」
「あ、ああ! 色々教えてくれてありがとうな!」
「フッ! 次は頑張れよ!」
そういって赤獅子フリークの青年は去っていった。
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