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第28話

「鬼さん?」


金髪の綺麗な長い髪をしている少女が呟く。


「鬼じゃない、おにぃさんだ!」

「鬼ぃさん?」

「なんか違う気がするがそれでいい。」

「待ってた」


なんか俺を呼んでた少女はこの子のような気がする。


「そうか、会えたようでなによりだ。じゃあな」

「え?ちょっと待ってよ!」


少女が驚いたような顔をして呼び止める。


「ん?どうしたんだ?」

「助けて!」

「何故?」

「私の過去をみたんでしょ?」


何か勘違いをしているようだ。その壮大な勘違いをしている少女に世の中の厳しさというものを教えてあげようと思う。


「君を助けることに何のメリットがある?」

「え! 助けてくれないの?」


悲しそうな目でみてくるが、何か勘違いをしているようだ。


「君の境遇が可哀想だから助けろと?」

「ダメ?」


ちょっとキレそうだったが少女なのでしょうがないと自分に言い聞かせる。美人はいいよなこんなとき許されて!


「そうだな、君を助けるメリットはなくてもいいとしよう。助ける理由は可哀想だから」


わからない。と少女が首をかしげる。


「しかし、君の過去をおもいだして気づかないかい?」

「私は連れ去られてここに閉じ込められた。」


悲しい顔をしながら呟く。


「君を害する者がいるということだ! 君を助けるということはそいつを敵に回すことになる」


少女は理解したようだ、絶望の顔を見せる。


「た、助けた後は私をほうっておいていいから!」


少女が必死に懇願する。


「君を助けた時点でそいつを敵に回すんだ、君を助ける時点でリスクなんだよ。」

「じゃ、じゃあどうすればいいの……」


少女がかすれた声で聞いてくる。


「君は俺に何を提示できる?」

「え?」

「敵を作ってでも俺が欲しくなる報酬を提示すれば俺は君を助けられる」


動けない少女に報酬を要求する鬼畜に見えるが俺ははっきりと”助けられる”と言ったのだ。


「わ、私。」

「ん?」

「今私があなたにあげられるのは”私”しかないの!」


少女の必死の懇願が部屋に響く。


「私を好きにしていいから! お願い助けて!」


俺は驚いた顔をした。

(え!好きにしていいって?確かに言ったよな好きにしていいって!)

悲しいかな男子高校生の性が鎌首をもたげる。


「ゴホン!」


咳ばらいを自分でして我に返る。


「いいだろう、だが細かい条件を変える、君は俺の命令には絶対服従の”部下”になれ!」

「わかったわ! 一生あなたの絶対服従の”部下”になる!」

「わかった。じゃあ助けてやろう。」


パアっと少女が花開いたような笑顔になる。

少女を閉じ込めている四角い石に手を触れる。

俺の魔力に鬼の力を駆使して石に干渉する。


中々壊れない石に対して俺はさらに力を注ぐ。


「綺麗な鬼……」


少女が呟くと同時に石が割れた。


バリン!


中から金髪の美しい少女が”全裸”で出てきた。

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