第22話
「これは……」
俺は刀を抜いて刀身を眺める。
刀職人というわけではないので詳しくはわからないが、金平刀を一級品だとすると、武御雷も同じ一級品だと思う。
「そう、これはかの有名な雷魔法を放てる『神刀』と呼ばれる刀じゃ」
『そう』とか言われたがゲームにこの刀は出てこないので全然知らなかった。
ゲーム時代は、『神刀』と『妖刀』という刀が出てきていた。
ちなみに剣だと『聖剣』や『魔剣』が出てきていた。
「依頼を受けてくれるなら、この刀を報酬として前払いしよう。調査が無事終了して、原因を突き止めたのならこの『鬼石』をやろう」
学園長は、お金では俺が動いてくれないと分かっているのか物を提示してきた。
「鬼石?」
「そうじゃ、お主達我王家が集めている”鬼”の一部が封印されておる封印石じゃ」
確かゲームでは、鬼の力は全て破壊してきたが、今の俺ならこの鬼の力は有効に使える。
「どうじゃ? 報酬として納得してもらえるかのう?」
俺は即答した。
「わかりました! 引き受けましょう。」
「そうか、それは良かった! では、サポートとして副学園長をつけよう」
「サポート?」
「ああ、天然ダンジョンは基本ダンジョンの中で寝泊まりするが、星咲副学園長は転移魔法の使い手での」
「え!転移魔法!」
ゲーム中ですら出てこなかった魔法だ。
「そうじゃ、だから一々ダンジョンに寝泊まりせんでも、一度行ったことのある場所まですぐ飛べるからのう」
ダンジョンに日帰りアタックできるということか。
「よろしくね。」
七夕先生はめっちゃ色っぽかった。大企業の美人秘書といったところだろうか。
「よ、よろしくお願いします!」
「ゴホン!では、来週から調査を頼んでも良いか?」
「はい、わかりました。」
「ああ、それと必要な物や人材がおればこちらで用意しよう、もっとも人材は星咲副学園長が転移させられる人数しかつれていけないがの」
「分かりました。この休日の間に準備しておきます。」
「うむ、新人大会や授業は出れなくなってしまうが、そこはしっかり学園が補填しよう。」
そういや、新人大会とかあるんだった。
俺は話が終わったので学園長室を出た。
家路に着こうと校門付近に近づいた時にいきなり副学園長の七夕先生が現れた。
「うわっ!」
「あら、驚かせちゃった? フフフ」
「な、なんですか?」
「追いかけて言う程の事じゃないんだけどね。一度私の力を見せたかったのと、あなたの力を直接確認したいと思ったの」
「直接?」
「ええ、報告では聞いているんだけど、一緒にダンジョンを潜る相手としては、お互いに力量の確認は必要でしょう?」
「え、ええ。そうですね」
確かに、お互いに力量が分からなければ撤退の判断なども難しい。
「流石に今からというのは遅いから、明日訓練場でどうかしら?」
「はい、問題ないです。明日は予定もないですから何時でもいいですよ」
「分かったわ、じゃあ時間とかは後で連絡するわね」
「はい、了解しました。」
俺たちは明日会う約束をして別れた。




