第21話
コンコン!
「失礼します!」
俺は学園長室にて超美人のスーツお姉様と対峙していた。
「座り給え」
「はい、それでお話というのは?」
「それよりも君、まずは私の方を向いてはくれんかね?」
座っているソファの対面を見る。
「星咲 七夕副学園長が美しいのはわかるが、今はこのおいぼれをみてほしいのう」
「わかってくれますか!」
俺は物分かりのいい学園長で良かったと内心思いながら視線をまた”戻す”。
「我王羅栖墓よ、冗談はそのくらいにしてほしいのう。」
「失礼しました。」
ふざけていると話が進まなさそうだったので素直に爺に視線をやる。
「そんなあからさまに残念な顔せんでもよいじゃないか!」
おっと! 顔にでていたようだ。
正直いい話ではないだろうから目を逸らしている意味合いが強いのだが。
「それよりも早く話をお願いします」
「なんか納得いかないが……まぁよい」
とはいえ呼び出しに応じたからには聞かないわけにもいかないので話をするよう促してみる。
納得いかないらしいが。
「実はのう、この学園には天然ダンジョンがあるのじゃ」
うん、知ってる。
確か強くなるために主人公が修行として入る場所だ。
天然ダンジョンなので命の危険はもちろんある。
ゲームでも危険なので50階層までしかいけなかったという設定だ。
「そのダンジョンなのだが最近活発になってきてのう。不穏な動きをしておるのじゃ」
ダンジョンは基本自活しており、モンスターも自動生成なのだがある一定数増えると、溢れないように自動で調整するのだ。
「その問題解決を俺に頼みたいと?」
「まぁそういうことじゃ。解決よいうよりは調査が主じゃが」
「学園が調査したり、それこそ公的機関に頼まないんですか?」
「まず、学園の調査じゃが既にできるところまでやっておる。公的機関は、実際に害があるとわからない限り動いてくれないのじゃ。そこでじゃ、我王羅栖墓! お前さんは100階層を突破したそうじゃないか」
「俺ならそのダンジョンも最後までいけると?」
「そういうことじゃ! お主の攻略したダンジョンは、その天然ダンジョンよりも難易度が高いのじゃ」
「そうですね、何か報酬等は貰えますか?」
「もちろんじゃ。お主は刀を使っておったのう」
「はい。金平刀を使ってます。」
「なんと! あの”魔”の金平とな!」
金平刀そんな凄いのか? まぁ魔法斬れてて、鬼封印してる時点で普通ではないが。
「じゃが、報酬としてそれにも引けを取らない刀をやろう!」
そういうと、副学園長の七夕が袋から刀を取り出した。
「『雷刀 武御雷じゃ!』
金と黒の装飾が施された刀は見事なオーラを放っていた。