第2話
「鬼?」
『ガハハハハハ!そうだ!お前ら人間が殺せないからと封印した鬼だ!』
「なるほどな、俺は死にたくないんだが?」
『なら生き残って見せろ!』
鬼はそういうと俺に飛び込んできた。
胸の中に黒い塊が入ってくる。
「ん?」
『どうなってやがる!』
どうなっていると聞かれても正直俺はいつも通り平常なだけだが。
『てめえを依代にしてやろうとしたんだよ!なんで平気なんだ!』
「平気?むしろ調子がいい!」
なんか鬼が体に入って調子がいい。
これはラスボスとの相性がいいのか?
『な、なんだこれは! 俺の力が取られていく! や、やめろーーーーーーー!』
そう鬼が叫んだあと声が聞こえなくなった。
「あら? なんか力が湧いてきたな!」
刀を振ってみる。
ブオン!
ドカーン!
扉が壊れた……。
「流石名刀!」
この刀は鬼を封印していた刀だ作中何度か名前が出てきていた。
「確か金平刀?」
廊下から足音がドタバタ聞こえてきた。
「お坊ちゃま! どうしましたか!」
この部屋に俺を放り込んだ鬼平がお札をいっぱい張った大剣を持って入ってきた。
「おう、鬼平!なんか鬼をやっつけたぞ!」
「へ?」
間抜けな顔をしている鬼平。
「だから、鬼!倒したんだよ!」
「な、な、ありえない!」
「信じられんか? なら試しにかかってこい!」
以前の俺なら鬼平どころかそこら辺の一般人にすら負ける可能性がある。
しかし今は誰にも負ける気がしない。
「い、いえまずは羅異堕様にご報告を! それが本当なら我王家の次期当主は羅栖墓様でございます」
呼び方が名前に変わった。
鬼平は急いで羅異堕のところへ向かった。
待ってるより向かったほうが早いと思って父親の部屋へ向かった。
「親父!入るぞ!」
障子張りの引き戸を開けて中に入る。
中に入ると父親に鬼平が説明をしていた。
「ふむ、刀を抜けているということは鬼平の言うことは本当のようじゃな」
「おっ。」
俺は失礼に当たると思い刀を鞘に戻した。
「よい! 羅栖墓よお主まだ力を制御できていないようじゃな。オーラが漏れておるぞ」
俺は自分の体を見てみる。
「本当だ」
俺は目をつむり力を抑える。
「なっ! もうそこまでできるようになったのか!」
できるもなにも完全に俺の思い通りに扱えるのだが。
「よく、よくやったぞ羅栖墓! 我が我王家悲願の鬼の力を完全に支配下に置くとは!」
見事な手の平クルーである。