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第18話

「よし!それじゃあもう一本!」


俺は東堂にそう言うが、東堂は首を振った。


「え?」


東堂は外の方に目をやり、手招きをした。


「あら、私の出番ですの?」

「そう、羅栖墓はもう私一人では手に負えない。」


なんか俺が怪物みたいな言い草だな。

実際、あれから何日か特訓を続けるうちに9割方東堂に勝てるようになっていた。


「次のステップに進むべき。」


東堂の言う通りなのだろう。

実際、東堂の剣技を見切れるようになったし、捌くのも問題ない。


「わかった。花菱さんお願いするよ!」


ここ数日ずっと俺に付きっ切りだった花菱さんにお願いする。

この献身性は俺の嫁なのだろうか?


「では、羅栖墓様がもっと強くなれるように私も微力ながらお手伝いさせていただきますわ」


そこからは、俺VS花菱&東堂ペアの特訓になった。


「羅栖墓様! 強いとは思っていましたがここまでとは!」


東堂と花菱ペアは上手く連携を取っていた。


花菱京香は1年生の中でもトップクラスの魔法の使い手だ。

そのペアを組む東堂も剣を使わせたら学年で1番の実力者だ。


その2人のコンビネーションはすさまじく、鬼の力を使わない状態だとなかなか近づかせてもらえなかった。


「烈火!」


花菱さんが炎の魔法で牽制を入れてくる。

俺の防御力からしたら受けても問題ないのだが、それでは訓練にならないので回避か”打ち消す”。


「魔法を”斬る”なんて羅栖墓様しかできませんわよ!」


俺が当たり前のように魔法を斬っているので愚痴の一つでも言いたかったのだろう。


「ここ!」


東堂が接近を試みる。


「このっ!」


東堂単体なら問題ないが、この時東堂はいくつかの魔法を俺に投げつけていた。

その魔法は非常に弱く、そよ風程度の威力しかないが今の俺に課されたルール。

”すべての攻撃に当たってはならない”という縛りには絶大な効果を発揮する。


「京香! 威力は弱めていいから最大の弾幕を張って!」


東堂さんが花菱さんに指示を出す。


「分かりましたわ! 羅栖墓様すみません! ですがこれも羅栖墓様のため!」


なんか相手側がなりふり構わず俺に勝とうとしてるようにしか思えないんだが……。


「いきますわよ!」


花菱さんの弾幕なら全力で捌けばどうにかなるかもしれない。


「私も!」

「え!」


そういうと、花菱さんと東堂さんの二人が”最大”の弾幕を放ってきた。


「ちょ! 二人とか聞いてないっ!」


俺の叫びは無情にも魔法の弾幕にかき消されたのであった。


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