第14話
「第5位12班! 7階層!」
各班の順位が発表されていく。
俺は端末を確認してみると第0班となっていた。
「第2位!3班!9階層!」
あれ? おかしい。
2位は花菱たちで10階層のはずだ。
「第1位! 7班! 10階層!」
なんと俺はランク外らしい。
というか全部の班が発表されるのでランク外とかないはずなんだが。
「我王羅栖墓!」
「はい!」
何かしら問題があったのだろう俺個人で呼ばれるのは。
「今回はシステムのエラーにより記録が取れていなかった! よって今回の加点は後日改めて決める以上!」
「はい!」
なんか訳ありな気がするし、単純にシステムエラーなら後で加点してもらえるなら全然いい。
そういや、100階層クリアは、主人公が最強になった3年生の頃に史上初の制覇者として世界に名を轟かせるきっかけだったな。
「ハッ! 記録なしじゃねぇかよ!」
金髪ヤンキーが絡んできた。
「何を言っているの牙城龍磨! あのEARTHが記録を取れなかったのよ? しかも羅栖墓様だけ。なんかあるに決まっているでしょ?」
俺の死神様は俺のこと無条件で信頼しているらしい。
その優しさが俺の精神へ攻撃してくる。
「ハッ! そこまで言うなら決闘でもしようぜ?その方が分かりやすいだろ? まぁGクラスのお前がAクラスの俺に勝てるわけ無いがな!」
「いいでしょう! 羅栖墓様があなたみたいなのに負けるはずありませんわ!」
なんか俺一言もしゃべってないのに決闘することになっている拒否権ないんですかね?
「誰がみたいなのだぁっ!」
牙城が頭にきて花菱さんの胸倉を掴もうとした。
「やめろっ!」
俺は思わず殺気を込めて牙城の手を掴んだ。
「なっ!」
牙城が怯えているのが分かる。
流石に俺も冷静にならないといけないのですぐに殺気は引っ込める。
「牙城、お前女性の胸を掴んだら犯罪だぞ?」
そう、こいつは”胸”に手を伸ばしていたのだ!
あろうことか、花菱さんの豊満な双丘に手を掛けようとしていた!
俺が思わず殺気を出してしまう程うらやまけしからんスケベハプニングをコイツは起こそうとしていたのだ。
「いいだろう牙城! 今のでお前は俺を怒らせた!」
すぐ殺気を引っ込めたので牙城は勢いを取り戻した。
「ああん? そんなに婚約者様が大事か? 何も賭けないのはつまらないよな? 俺が勝ったらお前の婚約者を貰うぜ?」
流石にキレそうになった。
「お前! 人を物みたいに!」
「羅栖墓様!いいですわよ!あなたが勝ったら私を好きにしなさいな!」
「京香!」
「ふふっ!初めて名前で呼んでくれましたわね。」
「今そんなことより自分が何を言っているのかわかっているのか!」
「ええ、私はどうなろうと羅栖墓様を信じていますわ!」
「もし俺が負けたらどうするんだよ!」
「あら、1人の女を賭けておいて負けるつもりですの?」
「それはお前が!」
「それに!私は羅栖墓様が勝つのを知っていますもの!」
なんてイイ女だ! 死神でなければ、いや死神でもいいのかも……。
いや待て、ダメだ! 危ない死神に連れていかれるところだった。
「一人の女がここまで言っているのですよ? 覚悟を決めなさい!」
思いがけない人物から凛とした声で怒られてしまった。