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旅の仲間

 長老からの説明で、ともかく俺の能力はここでは自由に使ってはいけないことが分かった。むやみに使っていると禁止カードに指定され、地の底にまで落とされてしまう。やっぱりどんな世界もそう甘いもんじゃない。現実をなんとか認識した俺の関心は、ではどうやって元の世界に戻ればいいのか、という点に移っていた。元の世界のことを結構な程度で知っていた長老だ、何か知っているんじゃないか。


 「元の世界に戻る方法か・・・正直、わしにも断言はできん。だがあるとするなら、それは『マグニフィセント・テレポート』の発動ではないかな。この呪文をおぬし自身に対して打てば、呪文の力で元の世界に戻れるかもしれん。この呪文の名前は、おぬしも聞いたことがあるのでないか。」


 「マグニフィセント・テレポート」。


 俺ももちろん知っている。「ファイトマスターズ」にある呪文の中でも最も多くのエネルギーを必要とする呪文の一つだ。13エネルギーを使って放つ呪文で、相手フィールドのモンスターを全てデッキに戻す効果を持つカードだ。レアカードなので俺は持っていない。


 「効果は知っていますけど・・・この世界ではどうやって打つんでしょうか?」


 「ふむ、知っての通りあの呪文を発動するには13もの膨大なエネルギーが必要だ。おぬしはまずこのエネルギーを集めるべきじゃろうな。この世界でのエネルギーの集め方は知っておるか?」


 知らない。俺は黙って首を振る。


 「この世界においてエネルギーを多く持っているものは、お前らの世界でのいわゆる大型モンスターと呼ばれるモンスターたちだ。彼らは広大な領地を支配し、ゆえに多くのエネルギーを持っている。彼らのところを転々と訪れ、エネルギーを分けてもらうことだ。もちろんこちらも何かを見返りに提供しなければならんかもしれんがな。」


 なんだか大変なことになってきた。てゆうか見返りってなんだ。俺は不安そうな目で長老にさらなる説明を求める。


 「大丈夫だ。彼らはなかなか話が分かる。わしもちょくちょく悪魔王や天使長、獣酋長と杯を酌み交わす。ここからだと獣酋長の領地が近いか。今日はこの村で休んで、明日出発するといい。」


 「出発・・・明日・・・!?ず、ずいぶん急ですね。それって僕一人でですか?」


 悪魔王や天使長、獣酋長は第一弾のトップレアモンスターたちの肩書だ。そんな存在と仲が良かったとは。すごいなこの長老は。自身は光っているカードではないのに。


 そんな失礼なことが頭をよぎった俺を知ってか知らずか、長老は優しく俺に語りかけた。


 「はっはっは。そんな心配そうな顔をするな。おぬしには旅の道連れを二人、ちゃんとつけてやろう。私たちウォリアーの村では、ウォリアーとして一人前になるために、若いウォリアーに旅をさせる伝統がある。そろそろ新しく若いウォリアーに旅立たせようと思っていたところだ。おぬしは彼らと一緒に旅をしながら、エネルギーを集めていけばよい。エネルギーを集める旅は彼らにとっても良い修行になるだろう。今日はもう遅い。今日は休んで、彼らとの顔合わせは明日の朝にしよう。」


 寝室に案内されて、俺は横になった。普段ならなれないところでは寝付けないたちだが、今日は色々なことがありすぎて心身共に疲れている。目をつぶるとすぐに気を失ってしまった。


 


 朝になり俺は目を覚ました。俺は寝覚めはいいほうだ。すぐに意識をはっきりさせ、昨日指定された待ち合わせ場所に向かう。長老はもう到着していた。


 「すいません待たせてしまいましたか?」


 「おお、ショータ。いや、わしもいま来たところだ。お前と一緒に行く二人もまだ到着していない。心配せんでもよい。」


 なんで俺は長老とデートの待ち合わせみたいなやり取りをしてるんだ。みたいに思っていると、二人、待ち合わせの部屋に入ってきた。


 二人のうち一人は、女剣士だった。ピンク色の髪を厚めの三つ編みにしている。おっとりとした顔立ちで、装備が無ければとても女剣士には見えない。こんなことを最初に見るのはダメかもしれないが、スタイルもかなりよさそうだ。


 「あなたがショータさんですね~。事情は長老から聞きました~。私はネムリアと申します~。よろしくお願いします~。」


 俺も挨拶をして、軽く自己紹介をする。ネムリアの声は見た目の通りにふわふわとした声で、なんだか気持ちが安らぐ。本当に彼女は女剣士なのだろうか。


 「ネムリアは若いウォリアーの中ではずば抜けたパワーを持っておる。頼りになる仲間になってくれるだろう。」


 長老が口を挟む。本当に彼女がそんなパワーを・・・?どうしても疑ってしまうが、長老が言うのだから嘘ではないのだろう。


 「私はヨナタンだ。長い旅になるだろうが、ショータ殿の助けができればと思っている。よろしく頼む。」


 もう一人の戦士は、屈強そうなまさに戦士、といった男だった。短く切った髪を上で固めている。この世界にもワックスみたいなものはあるのだろう。年は俺より少し上ぐらいだろうか。とりあえずそのショータ殿という呼び方はやめて欲しい。


「ヨナタンの持つ能力は強力だ。旅の途中その能力の助けになることは多々あるだろう。」


 長老が言った。そういえば俺は彼らのカードは持っていなかった。俺はもともとウォリアータイプのデッキを組んでいなかったからだろう。だから彼らのパワーや正確な能力はよく覚えていない。まあ、これからの旅の途中でだんだんわかっていくだろう。


 こうして、3人の旅が始まった。


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