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能力判明

 「!!」

 瞬間、ウォリアータイプのモンスターたちの纏う空気が変わった。さっきまでとは見違える動きで、ビーストたちを倒していく。ここからの戦闘は、もはや戦争ではなく虐殺だった。


 「・・・俺は?」

 一世一代の覚悟で剣を抜いた俺だったが、特に何もすることなく戦闘は終わってしまった。突然動きの良くなったウォリアーたちが、ビーストたちを鎧袖一触にのしてしまったのだ。ビーストたちは退却し、ウォリアーたちは彼らの落としていったものを集めている。勢いよく剣をぬいたのがなんだか恥ずかしい。


 「あの・・・ここって・・・後俺は・・・」

 少しためらった後、俺はウォリアーの一人に話しかけた。「戦士ボーグス」。そのウォリアーが書かれたカードはいわゆるコモンカードで、俺も何枚か持っていた。だからなのか、知らない人に話しかけるような緊張はなかった・


 「お前は新入りか。見かけない顔だが・・・とりあえず村に行って長老にあってみるといい。長老はお前のパワーや能力を見抜く目を持っているからな。」


 「いや、俺はさっきまで別の世界に・・・」


 「?変なこと言うやつだな。まあそれも長老に相談してみることだ。きっと何かわかるだろう。それにしてもさっきの戦闘はすごかったなジョニー?突然すげえ力が湧いてきやがった!」


 ボーグスは俺の話をすぐに切ってしまった。カードのイラストからもなんとなくわかるが、細かいことは気にしない性格なのだろう。そうして彼は隣にいるウォリアー、「長槍兵ジョニー」に話しかけた。アイツのカードも俺はもっていたはずだ。


 ボーグスの話を聞く限り、俺は長老に会わなければいけないらしい。まだまだ分からないことばかりだが、とりあえず日本語が通じたのは良かった。もともと彼らの効果テキストも日本語で書かれているからだろうか。そんなことを考えながら、俺は村に凱旋するウォリアーたちの集団についていった。



 「なるほど、おぬしは異世界からやってきたのか。恐らくその異世界というのは、我々がカードとして存在しているという世界なのだろうな。」


 さすが「戦士長老オルディン」、話が早い。俺の半ば支離滅裂な説明を理解してくれたうえに、俺が元居た世界のことも知っているらしい。流石長老、ありがとう長老。この前コストが重いからってことでデッキから抜いてごめん。


 「ともあれ、今のおぬしはウォリアータイプのモンスターとしてこの世界におる。おぬしにもパワーと能力、コストが与えられておるはずだ。どれ、ひとつわしがおぬしの能力値を見通してやろう。」


 そうして長老は俺に近寄って、目をつむった。集中しているらしい。だが数秒後、長老の顔がみるみる驚きに満ちていった。


 「・・・おぬしのパワー、能力、コストは全て読み取った。結論から言うと、おぬしの能力は強い・・・いや、むしろ強すぎる!!」


 「まず、おぬしのパワーだが、おぬしはパワー自体は小さい。たったの1000だ。だが、おぬしの能力はまさに破格といってもいい。おぬしの能力は、『自分以外の味方のパワーをプラス10000する』というものなのだ。それに対しておぬしのコストはたったの2!これを強いといわずして何というか!!」


 なるほど、俺の能力がそんな能力なら、さっきの戦闘も説明がつく。俺の能力で爆発的に強化されたウォリアーたちが、ビーストたちを一網打尽にしたのだろう。どうやら俺の能力は滅茶苦茶強いらしい。やったぜ。確かにこんなにコストが安くて、味方を強力にサポートできるカードがあったら誰でも使うよな。俺でも使う。こりゃ、俺はこの世界では引っ張りだこかもしれないぞ。女の子系のモンスターにも頼られまくって、ハーレムができちゃったり!?


 脳内ではしゃぎまくる俺をよそに、長老の表情はなんだか暗い。俺みたいな強力なサポーターがいればこの村の勢力は爆発的に増すだろうに、どうしたことだろう。怪訝そうな顔で俺が見つめていると、長老もそれを察したらしく、少しためらった後で口を開き始めた。

 

「・・・うむ。おぬしの能力はさっき言ったように強い。だが、その強さが問題なのだ。おぬしの能力は強すぎるがゆえに、この世界のバランスをたやすく崩してしまいかねん。そうなったばあい、この世界の上位統治者集団『オオナミ・ロード』がだまっておらん。もし彼らに目をつけられたら,おぬしは禁止カードに指定され、暗い暗い地の底におとされてしまうだろう!!」


 長老から示唆された、上位統治者集団「オオナミ・ロード」。そして禁止カードというあまりに俗っぽい言葉。俺は驚きのあまり、開いた口が塞がらなかった。俺も「オオナミ・ロード」という名前はよく知っている。それは俺の元いた世界で、「ファイトマスターズ」を製造、販売している会社の名前だった。


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