表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/43

B9F 魔法

 

「何でこんな大掛かりな迷宮を作ったんだ?」


 曲がりくねった道を進みながら訪ねてみる。


「戦うためさー。世界と。」


 ニヤリ、と笑ったような気がした。実際は無表情なのだが。ダルは多分、感情豊かな娘だと思う。ジョークも言うし。


 しばらく進むとダルが振り返り、口元に人差し指を当てて、「しー。」とやってきた。


「あそこに見えるの、わかるー? 静かにね…。」


 そっと角から顔を出すと、少し開けた小部屋に白いもこもこの群れが見えるのがわかった。


「お、あれはうさぎかな?」

「そうそうー。うさぎ。」

「うさぎがどうかしたの?」

「魔法、みせてあげよっかー。」


 言うやいなや、見る見るダルの雰囲気が変わっていく。

 でた。本気モード。

 でも相手うさぎなんだけど、どうするつもりだろう。


「 *聖なる糞女神ヴェルトのビッチよ、力を貸し給え* 」


 なにこの詠唱?てか口わっる。


「 *降り注ぐは三つの元素、二では少なく、四では多い、まして五などはもってのほか* 」


 うさぎ達の上空に魔法陣が現れる。


「 *聖なる手榴弾* 」


 カラカラカラと小部屋中に降り注ぐ無数の小型の球体。


「角に隠れてー。あぶないよー。」


 ちょうど3秒くらい経過したあとに、ずどーんと強烈な閃光。遅れて肌が焼けるような爆風が通り過ぎた。


「ギャアアア!!」

「ごめんー。数増やしすぎたー。ヒール。ヒール。ふーふー。」


 軽く火傷していた俺の腕にダルの息が吹きかけられると、すっと痛みが引いていった。

 これも魔法だろうか、すごい。


「早く覚えたいでしょー?がんばって上めざそうねー。」

「お、おう…とりあえずはヒールだけでいいかな…」


 黒くなってしまった元うさぎ達の小部屋に入る。心なしか広くなっている気がします。


「むごいことを…」

「うさぎって危険生物なんだよー。」


 部屋の中央に豪華な装飾の宝箱が置いてあった。


「どうするー? 開けるー?」

「もちろん! お宝ゲットだぜ!」


 任せてーというとダルが先に開けにいってしまう。俺も開けたかった…。


 ヒュンッ、と唐突に。

 一本の矢がダルの頭に刺さった。


「グエー。」


 その場に倒れるダル。


「おい!? ダル!? しっかりしろ!」


 俺を一人にしないでくれ……もうあんな目には…


「あいったー。」


 起き上がり頭から矢を引き抜くダル。


「不死王の特殊技能。自動回復レベル2。」


 ゆっくり振り返ると、血塗れの顔でドヤ顔しながら教えてくれた。

 なんでもありかな?


「ほらお宝だよー。こっちおいでー。」

「お、おう…」


 宝箱の豪華な内装に鎮座していたのは一振りの剣?っぽいシルエットの何かだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ