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精神交換

 

「私はフタネサ・エチアウ。魔法使いだよ。ネッサって呼んでね!」

「我は不死王ダルフ・セペットなりー。ダルでいいよー。」

「あ、藤木透です。ヒューマンの無職です」


 とりあえず自己紹介する流れになっていた。

 それぞれ別の世界に生きる俺とネッサは、ガワを残して入れ替わってしまったらしい。


「俺は全然構わないんだけど、ネッサはそれやって何か得あるの…?」

「とりあえずアニメいっぱい見たい!りるるちゃんかわいい!」


 あー、テレビつけっぱなしだったの、この人の仕業か。


「ネッサはねー。引き篭もりのくせに異国の文化とか興味津々だからー。」

「正確には異世界ね!全然違う文明を歩んでたり、メイン種族が違ってたり面白い事だらけなの!」

「こないだは動く植物?みたいなのと交換したらしくって大変だったんだよー。」

「あれは向こうが何枚も上手だったわ…何せ交換時の記憶が一切無いんだもの!」


 ダルが警戒してたのはそのせいか。というか聞いてるだけで正気度がゴリゴリ削られていく気がするよ?



 うーんしかしこれからどうしようか。ファンタジー世界っぽいし色々やってみたい。


「魔法とか使えるのかな?」

「私の身体だからね!魔力とか潜在値とかすごいよ?」


 きた!チート能力!いっちょ試してみるか!?


「ハァァァァァァァッッファイアーーー!!!」


 …。

 ……?


 しかし何も起こらなかった!


「ねえダル!? この人めっちゃ面白くない!?」

「わかるー。」


 ふふ、どうやら俺は顔から火が出る魔法を唱えてしまったらしい。

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