B7F 宇宙とジャガイモ
「今日はいい天気だなー」
「日向ぼっこでもするー?」
ジョークに付き合ってくれる吸血鬼。
ピラミッド横の壁には上り階段が設置されており、看板には、この先B6Fと書いてあった。
「もしかしてピラミッドスルーしていいの?」
「だめー。地上行くならピラミッドが一番だよー。」
仕方なくピラミッドの中に入って行く。中は少しだけひんやりしている。
特にめぼしい発見もなく、スロープ状の廊下を歩き続ける。
直進して右折。直進して右折。直進して右折。距離感や時間の感覚が分からなくなってくる。ネッサめ、変な建造物を迷宮内に作りやがって。
「俺、一生ここでぐるぐるまわってるのかな」
「わかるー。変になるよねー。」
突然廊下に変化が訪れた。窓だ。
窓の外には宇宙が広がっており、丸い何かがいくつも浮いている。
「ダル、あの、あれなに? あの名状し難い球体」
「フライングポテイトだねー。」
「フライングポテイト」
母さん、知ってますか?ピラミッドの上には宇宙が広がっていてジャガイモが飛んでいます。
「カラッと揚がっていて食べると飛び上がるくらい美味しいよー。」
「そっかー」
それからしばらく歩くと、この先地上と書かれたドアが現れた。
「到着ー。」
「ネッサって結構狂ってる?」
「魔法使いってみんなこんなかんじになるよー。」




