5話 変わった人と美味しいご褒美
「あなたは………」
「ん?僕?僕は、ちょっと変わった男性さっ。さっき言ったたろ?絵にならない程の場所が好きって、カメラで撮ってもぼやけるし、目にしか焼き付けられない。一呼吸できる場所僕の一番のお気に入りさ。君にはないの?お気に入りの場所。」
私のお気に入りの場所?お気に入りお気に入り。…………屋根裏部屋は、人上がってこないだけで別にお気に入りってとこでもないし、スーパーはただのパシり場だし。これといっていい場所なんてない。
「……ない……ですね。」
「そっか、ここは?どお?お気に入りにはならない?」
「微妙ですね。」
「ストレートだなーそっか、ここだめか。」
男性は、少し落ち込んだ表情をしながらまた歩き出した。
「あっ、そろそろ昼だね。お家に帰りな、親御さんが心配しちゃうよ。」
え……もどりたくないんですけど。でももおそんな時間か。どうにかしてもう少しいたい。どうしたら……
「帰らないの?」
「あ………大丈夫です。………あの、お気に入りのお店とかありますか?」
切り株に座っていた男性は、私の話を聞いた瞬間私をガン見し、ちょっと気持ち悪い万遍の笑みで、
「しょ~がないな!連れてってやるよ~」っと言い、私の背中を押してお気に入りの店についた。
「付いたぞーここが僕のお気に入りの店!フレッシュバーガーだ!テラスもあってオシャレな店だろー?」
確かにオシャレな店ハンバーガーか、何年ぶりだろう。ろくな食事を取れてない私からとんでもないご褒美な気がする。よだれが出そうな匂いがする。フレッシュっていうぐらいだからきっとさっぱりした味なんだろうなー早く食べたい。そんな感情で、店に入った。
「いらっしゃーい…………お!お前、彼女出来たのか!早く言ってくれよ~!」
「え……いや、私は彼じょ………」
「そーなんだよ!やっと僕にも彼女できたん………」
彼女といわれた私は否定しようとしたのに対して嘘をつき自分の彼女と名乗った変わった男性の腹を思いっきし殴ってしまった。
「………あ………いっ……て………オェ………吐きそう。」
「少し手がすべっただけですよ。てかまず私はあなたの彼女じゃありません辞めてください。お腹すいてるんで、そんなとこで倒れてないで、早く注文しましょう。」
男性は、口を抑えお腹を抱えながら注文した。
「お………お待たせ、これが僕がよく食べるハンバーガーささっ、お食べ………僕はちょっと御手洗言ってくるから誰かさんのパンチで………」
男性はトイレへ、駆け込んだそんなことはどうでもいい。私が求めているのはこのハンバーガー。このハンバーガーどれだけ美味しいか存分に楽しむのだ。
パクッ
「お………おいひ~~!」(美味しい)
何これ!口の中で肉汁がこぼれまくりキャベツは、パリッ!とさらにタマネギの爽やかでさっぱりとしたソース!この絶妙な美味しさは、家とは比べものにならない!私の求めていた食べ物!こんなところにあったなんて!一口また一口と止まらない。あっという間に完食。あとで誤らなくちゃ。
「顔すげーぞ」
「は!………いつからそこに!」
「美味しーって叫んでたところから。邪魔するは、ちょっとまた殴られそうだったから声かけなかった。」
「あ…………さっきはすいません割とかなりのパンチをお見舞いしてしまって………あの、すごく美味しかったです、ありがとうございました。そろそろ帰りますねまたいつか………食べましょ!」
「お、おう……美味しかったか、よかった!あっ帰るのね、気をつけてねーまたいつか-!」
美味しかったなーあの場所覚えとこっ。まぁー帰ったら怒られるけど……またいつもの日常にもどるのかー嫌だなーあっそうだ、いやになったろまたフレッシュバーガーいけばあの人にあえるかな?…………!。名前聞くの忘れてた!あーもう私のドジ!