4話 あなたは……
あの不思議なことが起きてから2ヶ月私は死んでるかのように眠りについていた。
この家に来てから初めて少しだけ心配されたハリボテな心で……………。
2ヶ月も眠っていたせいで喉がカラカラ、体は痩せ細く目がかすかにしか開かない。考える程の力はあまり残っていなかった歩くのがやっとなぐらいだ。体が戻るまで時間がかかりそうだ。
「なぁーお前誤れ。」
「え………」
「お前が2ヶ月も寝ていたせいで俺がわざわざ買いに行かなくちゃならなくなったんだぞだから誤れ」
はぁーっと、ため息がつきあきれた顔で私は、思った。お前のせいで買いに行かなくちゃならなくなったんだってそれは、私の台詞だよ。スーパーのおばちゃんはどお思ったのかな…………。
次の日
あのデブにパシラれる前に日が出るまえに散歩にでた。久しぶりに体を動かしたからなれない坂を登って足が疲れた後ろを振り返る太陽が起きて登ってくる風景が見えた、太陽は眩しく暖かくあまり外に出ることを許さない私からしたら少しのご褒美な感じがした。
ドン!
後ろから何かが落ちた音がした少し怖かったけど振り向いたら23歳ぐらいの男の人が木から落ちたみたい。
「いてて……まだ空は、飛べないみたい………」
空?飛ぶ?何のこと頭に疑問が浮かんだ。
「あ、あの大丈夫で…すか?」
「え?………あっ…………恥ずかし…………今のことは忘れて!」
「衝撃すぎて…………忘れられないです」
「頑張って………」
「はい…………」
なんかどこかで聞いたある声。
「何してたんですか?………」
「え?僕?えーっと木…登り……そう!木登り!木から木に移動しようとしてたら落ちちゃった。」
「大の大人が何してるんですか…………」
「別にいいでしょー大人だからってはしゃいだっていいじゃないか!誰がそんなことを決めたか知んないけど僕がやりたいからやってることだしそれに口を挟むのはどうかと思う!」
「………はい。」
なんでちょっと逆切れ?まあー考えてみれば正論だしたとえるなら朝は目玉焼きみたいな感じか。あと…………なんでこの人どや顔してるんだろう………。
「君どこから来たの?」
「え、家からです。あなたは?」
「僕?僕は、ここに住んでるんだよこの森で!」
「え………………すいません帰ります。」
「え?!嘘嘘もぉー冗談が聞かない子だなーそんなに引かなくてもいいだよさぁーおいで!」
絶対いきたくねー、お断ろううん。
「いやです。」
「そんなことを言わずに来なよいいとこ教えてあげる!すっごい綺麗だよ!」
「いやです、信用出来ません。ごめんなさい………帰ります。」
「えー帰っちゃうのー悲しいーなーもっとお喋りしたいのにー」
カマチョか………ただでさえ家がやばいのにこんな人に連れてかれるなんて………連れてかれる?その手があったか、どうせ心配されないのなら誘拐されればいい!うん。そうしよう!
「んーしょうがないですね。お喋りに付き合ってあげますよ。」
「最近の子は、フレンドリーだね普通なら逃げるのに………なにか企んでる匂いがする………まぁーいいや行こ」
私はその男の人に付いていった、山を登ったり下ったり足が疲れる本当に綺麗な場所なんてあるのかと思っていたら…………右側に絶景が。町を一望できるほど高いとこに来たでもその男は見向きもせずひたすら歩いてる私は思わず聞いた。
「ここじゃないんですか?」
「絵になる風景を見たってつまらないよ」
その絶景を立ち去り山奥へどんどん進んでいくようやく足が止まった。着いたみたい。そこは私が見たことのない神秘的な場所だった。
「僕は、絵にならないほどの場所が好きなんだ綺麗だよここは。」
「あなたは………」