廻り巡って

『深き繋がりは避けよ』
世界が変わり脳裏に響く戒めの言葉。認識したときには、頭の中から煙のように霞み消えていく。
気付いたときには全てが遅かった………だが、終わりではない。
だからこそ巡る。望む未来へと変えるために。
　
“始まりの勇者”。召喚によって現れた、そう語り継がれる者により救われた世界【アーヴィル】。その勇者の活躍から千年という月日が流れ、再び動き出す物語。幼い頃から魔法どころかその元になる魔力すら扱うことが出来なかったルオーレは、いつかした「王都へ向かう」という約束も、冒険への憧れも諦めつつあった。平和でもあったために、仕方のないことだと割り切ろうと考えていたのだ。しかし、そんなルオーレの思いを吹き飛ばすかのように襲ってきたのは、住む村の周囲にはいないはずの強力な魔物。二度目の物語の歯車はゆっくりと動き出していた。
出会いや別れを繰り返し、厄介事に巻き込まれと成長していくルオーレ、そして、その周りの物語です。───王道なファンタジーを目指していますが、その通りになるかは微妙なところ。温かい目でよろしくお願いします。