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GAME START

 


  THE FREEDOM WORLD 起動 Now Loading


  私は目の前のロード画面に流れる文字を眺めながらこのゲームの紹介CMを思い出していた



  君達はこの世界で何になる!!

  謎解きロマンを求める冒険者か!!

  巨万の富を築き上げる商人か!!

  はたまた世界を救う英雄か!!


  そんな何にだってなれる世界が今君達の目の前にあるんだ!!


  さぁ行こう!!この自由なる世界に!!


  新作VRMMO THE FREEDOM WORLD 好評発売中!!




  そんな熱血気味のCMを思い出してるうちにロードが終わり TouchSTART と書かれたパネルが浮かび上がってくる。


「いざ!」


  気合いを込めてパネルを押すと視界が真っ白になりまた新たな文字が現れた。


  GAME START

  welcome to THE FREEDOM WORLD


 ーと。





  少し浮遊感を感じてから地に足をつける。

 ここは始まりの街[リスタ]、初めて入ったプレイヤー達の出発点、大勢の人がごった返すなかに自分も降り立った。


(あぁワクワク感がやばい、すっごくテンションあがる♪ちょっとクルってしてみたり~♪)


  クルっと周りを見渡すとたくさんの人、人、人、そして多くの人の共通点が


「なんでみんな体操服?」


  そうつぶやく自分も半袖短パンの体操服である、多分初期装備か何かかなと考えつつメニューを開きアイテムを確認する。


  中に入っていたのは『木の剣』(STR+5)『木の盾』(VIT+5)『剥ぎ取りナイフ』の3つ、とりあえず剣と盾を装備すると左腕に大きな鍋蓋くらいのサイズの盾と腰にだいたい50cmくらいの剣が現れた。

  今度は装備欄を開いて自分の姿を確認する。

  腰あたりまで伸びた薄水色の髪にエメラルドグリーンカラーの瞳、日焼け1つない真白な肌のほっそりとした身体、そして中性的な顔立ちの少女、ではなく少年の姿があった。


 まぁ、いわゆる男の娘キャラである。可愛いは正義なのだ!


  (うん、なかなかいい感じかな?キャラメイク粘ったかいがあったよ!ふふっ♪)


 キャラメイクの際の制限としては以下のものがある

 性別の変更不可

 過度の体格変更不可

 それ以外は基本的にOK

 これらはリアルとゲームとの体感の差を感じにくくする為にあり、日常生活に支障が出ないようにする為である(らしい)


  そしてメニューを開く度にチラつくガチャの広告、運営は言っている「ガチャを回せ」と、とりあえず何があるかを見てみる。

  和風洋風中華ファンタジーとジャンル毎に分けられたガチャ達、個人的に和装が好きなのでまずはそれから見ていく、アイテム欄をスクロールしている中でそれを見つけた。


(こ…これは!)


  気付けばガチャを回していた、そして目当てのアイテムを獲得するまで回していた。

  (諭吉が数人お亡くなりになったけど仕方ない、うん仕方ないんです!そうこれはいわゆるコラテラルダメージと言うもの!つまり問題無し!)

 早速手にいれた衣装を装備して確認する。


  上は袖口に向かって水色から白に変わるグラデーションの入った着物、胸元には薄紅の桜の刺繍がされていて、下は紺色無地の袴に革のブーツ、これぞ大正ロマンと言った服装である!


  他にも和風ガチャで当てたアイテムの中には忍者やサムライ更にはお殿さまと言ったものまであった。

  (うんとりあえずバカ殿さまはいらないかな、あとダブりも幾つか売りに出してっと、売れますよーに、ナム~)


  それからしばらくアイテム整理をしながら歩いてると大きな門に着いた。

  ちょっと上を見上げると始まりの街西門の文字が表示される。

  他の人達もそこから出たり入ったりしている事から多分街の外のエリアに出られると思われる。

  (ここを越えたら、ふふ…楽しみ♪)

 

  そして門を抜け目を開けるとそこは


  地獄絵図の様な戦場でした。


  剣士が駆け抜ければうさぎがはねられ、魔法使いが呪文を唱えればうさぎが空に打ち上げられる。


  (な…なにこれ)


  リポップと共に狩られ続けるうさぎとそれをいささか狂気を感じるレベルで狩っていくプレイヤーの群れ、そんな光景に唖然としてるとまた何処かで魔法が炸裂して空からうさぎが降ってきた。

  「うわっ!?…と」

  空から降ってきたうさぎを抱き止める。


 ▽『餅うさぎ』Lv1

  HP6/15


  そんな表示がうさぎの頭上に表示される。

  どうしたものかと見回すとこちらにすごい勢いで迫ってくる集団に腕の中のうさぎがびっくりしてはねる。


  そしてその集団の中の1人から

「ファイアボール!」

  魔法が飛んできた、狙いは言わずもがなこのうさぎ、そして自分にも当たる直撃コースである。


  (アホかぁぁ!?)


  私が逃げ出した直後にさっきまで立っていた位置に魔法が着弾した。


「何するんですか!危ないでしょう!?」

「死にはせん!」

「死ぬわ!?」

  ツッコんだ直後また魔法が飛んできた、さっきよりも数が増えている。

  腕の中でうさぎが身体を丸めて縮こまって震えてる。


 ズッキューン←♡ー!


  自分のハートを撃ち抜かれる音が聞こえた様な気がした。


  (この子は私が守る!!)


  私は走る速度を上げた。


「こら!待ちやがれ!!」

「待てと言われて誰が待ちますか!この子はうちで面倒を見ますから諦めてください!!」

「それは俺たちの獲物だ!!」


  少し変なテンションになりながらも飛んできた魔法を走っては躱すを繰り返す。


  (あぁもう何時まで追いかけてくんの!?いい加減諦めてぇぇ!なにか、なにかない!?)


  走りながらメニューを開きアイテム欄をみる…が打開策無し

  (次!)

  次にスキル欄を開き、その中にあった一つのスキルを見てすぐにそれを押した。


『ーーーを習得しますか?』

  (する!)

『ーーーを習得しました、残りSP8』


「おら待てやー!!」

「待たない!スキル!シャドーバインド!!」


 ▽『シャドーバインド』

  対象を影で縛り5秒間移動不能にする


「うお!?おおぅ!?」

  先頭を走っていた男がいきなり止まってつんのめってる所に後ろの集団がぶつかってドミノ倒しみたいに倒れていった。

  その様子をチラ見しつつその集団から離れる。


「覚えてやがれぇぇ……」

(覚えて欲しかったら名を名乗れっての)




  その後西門から離れた場所についてようやく息をつくことができ、それから腕の中のうさぎを見てみるとなんだかぐったりしていた。

 

(体力6しかないんだった!えーと…、回復効くかな?)


『ヒールを習得しました 残りSP6』

 ▽ヒール

  体力の1〜2割程を回復する


「ヒール」

  腕の中でうずくまってるうさぎの体力が8まで回復した。

「おお効いた!それじゃあMPポーション飲んでもっかいヒール!」


 ▽『餅うさぎ』Lv1

  HP11/15


「これだけ回復したら大丈夫かな。ほらもう大丈夫だよ、うさぎさん起きて~」

 

  声をかけながら背中を軽く撫でてあげると少しもぞもぞしてからうさぎが顔をあげて欠伸した。


「寝てたんかい!?」


  私のツッコミでうさぎがビクッとなってうるうるとした瞳で見上げてくる。


(ぐはぁ!く……かわいい!)

「ごめんごめん、大丈夫だからね~、よしよし」

  優しく背中をなでてあげるともう一度欠伸をしてうずくまってしまった。


「また寝ちゃったし……。まあいっか、おやすみなさい」

(とりあえずこの子が目覚めるまでは私が守る!)


  結果的にうさぎは周りが日が傾いてくるまで私の腕の中ですやすや眠っていた。

(腕……しび…れたぁ……)


 ▽『餅うさぎ』Lv1

  HP15/15


「ほぅほぅ、寝たら回復するのか、なるほどなるほど」

  いまだに欠伸をしてるうさぎの頭を撫でながらこの後どうするか考えてると目の前に1つのスクリーンが現れた。


「えーと、なになに?『餅うさぎのテイムに成功しました』?どゆこと?とりあえずヘルプヘルプ」

  ヘルプの画面を開いてテイムについて見た所以下の通り


 ▽『モンスターテイム』

 戦闘終了時または特定の行動、条件を満たした際にモンスターをテイム、仲間にする事ができる

 またモンスター毎に戦闘終了時にテイムできる確率は違う

 モンスター達はあなたを仲間として見ています、誠実な態度で接してあげましょう


「ふむふむ、戦闘はしてないから特定行動の方かな?一緒に逃げて回復してお昼寝して……、うん分からん。とりあえず仲間になってくれてありがとううさぎさん、これでぼっちプレイが回避できるよ!」


  よくわからなそうに首をかしげる餅うさぎをスクショしつつ立ち上がる。


「とりあえず街に帰ろうか……、あー、えーと、名前変えれたりできないかな?」

  メニューを開いて確認してみると名前変更はできそうなので早速変えて

「これでよしっと、今日からあなたの名前は『月見(つきみ)』です、これからよろしくね月見♪」

「もっきゅ!」

「鳴いた!?」


 ▽『月見』Lv1

  HP15/15




ここまで読んでいただきありがとうございました

更新頻度はモチベによります

書きだめなんてありません!

それではありがとうございました!

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