夜間戦闘
戦闘Partです
謎の変質者を殴り、蹴り、串刺し(多分)にして撃退した私達二人の前に現れた新しい変質者達が「よくも仲間を!」とか「覚悟出来てんのか、オラァ!」とかヤクザの如く喚き散らしてる。これはあれだ、悪質な当たり屋的なやつだ。
多分手口はこう。まず仲間を一人道端に倒れさせます、気づいたプレイヤーが近づいて来ます、ある程度介抱してもらってプレイヤーが油断した所を襲いかかって待ち伏せしてた仲間達も参戦、プレイヤー大慌て、そのままプレイヤー全滅!男達の勝ち!
みたいな?
いわゆるPKプレイヤー、その集団が目の前のヤクザ達という感じになるんだろうね。ただこんな所で待ち伏せして誰も来なかったらどうするつもりだったんだろうね?朝まで倒れてるとか?まぁその作戦も私達がスルーしたからちょっと変わっちゃったみたいだけどね。
まぁそれはそれとして
「先に襲いかかって来たのはそっちのお仲間さんですよ」
「つまり正当防衛っす」
とりあえず自分達は悪くないと言っておく、相手にばっかり好き勝手なんて言わせないんだから!
「でも俺達の仲間殺った事には違いねぇよなぁ?」
ヤクザ集団のリーダーっぽい人が大袈裟な身振り手振りで煽る様に言ってくる。
そのせいで子分達の罵声が更に大きくなって耳が痛くなった。
でも言ってる事は間違って無いから言い返せない……ぐぬぅ…。
「つーわけだ、覚悟しな嬢ちゃんら。殺るぞテメェら!!」
今までで1番大きな声でリーダーが叫び子分達が次々と武器を構える。
これはやるしかないね……。ふふふ…。
メニューから回復した従魔達を呼び出しながら相手の戦力を確認する。
敵はリーダー含めて10人、近接7魔法3、近接の内盾持ちが4槍が2、そしてリーダーの双剣、まだ隠れてる仲間がいる可能性もあるし……、それに月明かりだけじゃ戦いにくいし……、燃やすか!
まずは月見のステータス画面を開いてまだ振ってなかったSPを全てINTに割り振る。
月見Lv13
INT15→20
これで月見も精霊融合は出来るようになった、あとは……。
(マリアさんマリアさん)
(ん?なんすか?)
(最初に範囲攻撃しますからちょっとだけ下がっててくれますか?)
(了解っすよ!)
マリアさんにも伝えたしこれで良し!
「作戦会議は終わったみたいだなぁ?まぁそんなもん意味ねぇだろうがなぁ!やれぇ!!」
わざわざ待っててくれたリーダーの号令で槍の二人と盾の内の二人がコチラに突撃してきた、残りの盾二人は魔法の準備を始めた三人の前でしっかりと盾を構えてる。リーダーはまだ様子見っぽい。
それじゃあこっちもいっくよー!!
「月見!」
「きゅ!」
月見と二人息を合わせて叫ぶ
『精霊融合ジーク!』
「もきゅ!もっきゅ!」
二人の足元から紅と蒼の炎が巻き上がり二人を包み込む。
「変身完了!Ver.ジーク!!」
「もっきゅう!」
そして変身完了のセリフに合わせて炎が掻き消えシャキーン!と決めポーズを決めた冬歌と月見が姿を表した。
白い胴着に赤の下衣、右腕には龍をイメージした腕鎧、額に龍の紋章が彫られた鉢金を着け燃えるように紅い髪を侍みたいなポニーテールにしてルビー色の瞳を楽しげにキラキラさせた冬歌と全身の体毛を青藍色に変え口元からフシューと蒼炎を漏らしながら戦意溢れる眼をヤクザ達に向ける月見の二人。
炎に包まれる前とは全く違うその姿に何が起きたのかと困惑するマリアとヤクザ達。
「来ないんならこっちから行きますよー!!」
右腕をヤクザ達に向けて構え、冬歌の左右に月見と朝日が並びすぅーっと息を吸い込む。
「『竜炎弾』!!」
「もっきゅうぅぅぅ!」
「ウオオォォォン!」
▽『竜炎弾』
竜の炎を圧縮し放つ
着弾後二分間、半径10mの火属性ダメージエリアを生成する
相手を[大やけど]にする
未だに困惑状態から戻らない男達にスキルを発動した冬歌の手のひらから直径2mもの火炎弾が放たれる、それと同時に月見と朝日が街道の外側から逃げ道を無くす様にスキル『ブルーフレイム』で薙ぎ払った。
「は!?避けろおおぉぉ!?」
迫る炎弾と蒼炎を見た瞬間気を持ち直したリーダーが慌てて指示を出した。
最初の犠牲者は街道の外側にひっそりと
潜んでいた斥候/暗殺役の男達四人、予想していた通りに隠れていた男達は役職上耐久力が低かったようで蒼炎に焼かれあっという間にやられてしまった。
次の犠牲者は後方で杖を構えていた魔法職三人とそれを護る盾の二人、真正面から高速で飛来する火炎弾に対し盾の二人は防御力を、護られている魔法職の三人は盾二人に対して魔法防御力を上げるスキルを発動した。
「「『ガードアップ』!!」」
「「「『マジックガードアップ』!!」」」
次の瞬間火炎弾が盾二人の構える盾に着弾し強烈な爆風と業火を撒き散らし
「ぐあぁぁぁ!?」
「ぎゃああああ!?」
無駄な抵抗と嘲笑うように一瞬で盾二人の体力を焼き尽くした。
もちろん後ろの魔法三人にも大ダメージが入る、それでも盾二人が身を呈して守った甲斐はあったのか三人が即死する事は無かった。
「ぐあぁついぃ…!?」
「ありえな………い……」
「あぁんっ!」
魔法三人は即死しなかった、だけどそれだけ。
『竜炎弾』の効果による火属性ダメージエリアと[大やけど]の状態異常、この二つのダメージで残りわずかだったHPを削られて結局は炎の海に沈んだ。
一人変な声上げてた様な気がするけど……、まぁそれはいいや、趣味は人それぞれですもの。
そして突っ込んで来てた盾と槍の四人とリーダーはというと、まず盾の二人が左右から迫る蒼炎に向け盾を構えながら自分から飛び込んで瞬間的に受けるダメージを最小限にしてくぐり抜けた、これには私と従魔達もびっくりした、だって自分から飛び込むんだもん。
次に槍の二人、この二人もびっくりする様な避け方をした。なんと槍を地面に突き刺して棒高跳びの要領で蒼炎の上を飛び越えるというパフォーマンスを披露したのだ、リアルでは陸上部だったりするのだろうか?
そしてリーダー!
リーダーの持つ双剣は持ち手の所が鎖で繋がった(例えるなら首掛け手袋)形になっていてその内の片方の剣を地面に突き刺してからそれを踏み台に飛び上がった!
まぁ、後ろは火属性ダメージエリアが、左右からは蒼炎が迫ってたから逃げ道は上くらいしか無いもんね。
それからリーダーは空中で鎖を引っ張って地面に刺してた剣を回収してクルリと一回転してからカッコよくヒーロー着地を決めた!
10点!10点!10点!
そしてすぐさま合流して陣形を整えたリーダー達。
きっと普段から連携プレーを意識して練習してきたんだろうね!
「くっ…生き残ったのは俺達だけか……」
リーダーが現状に嘆く。
「あぁ…、まさか一気に半分も殺られるなんてな…」
「あれ、特殊スキルってやつだろ?」
「だろうな…」
「勝てるのか…?」
男達の雰囲気が暗くなりかける、しかしリーダーが仲間を鼓舞する為に叫ぶ!
「さぁな?だが勝てる勝てないじゃない、俺達は勝たなくちゃいけないんだ!仲間の仇を討つために!」
「……そうだな、アイツらの死を無駄にしちゃいけねぇ」
「だったら殺るぞテメェら!!」
「「「「おう!!」」」」
リーダーの言葉に男達はやる気を漲らせて返事をし
「「「「「俺達の戦いはこれからだ!!」」」」」
打ち切り漫画みたいな声を上げて男達が仲良く一斉に突っ込んで来た。
っていうか先に手を出してきたのそっちじゃん、なんでこっちが悪いみたいに言われなきゃならないの(怒)
「次はウチの番っすよ。守護者の二つ名が伊達じゃないって所見せて上げるっすよ!」
ガツンとガントレットを打ち合わせてマリアが前に出た。そして冬歌達も「そういう事ならお願いします」と後ろに下がった。
もちろん何かあった時用に臨戦態勢は解かずに。
「それじゃあいくっすよ!いでよ!『守護者の腕』!」
マリアが再度ガントレットを打ち合わせると空中にマリアと同じガントレットを装備した巨大な腕が現れた。
腕を動かせば連動する様に巨大な腕が動く、今からあれで殴られるであろう男達に同情はしないけどかなり痛そうだなぁと思った冬歌だった。またそれとは別にああいうのはスゴく男心がくすぐられるというかとにかくカッコイイ!とワクワクしながら見ていた。
そして向かって来ていた男達も守護者の腕の出現に一瞬怯んだがすぐに持ち直して突撃を再開した。
「『チャージナックル』」
マリアが左腕を前にして半身になる様に構え右腕をグッと引きスキルを発動し、それに連動する様に空中の巨大な腕も左腕を前に構え右腕を引いた構えになった。
スキル『チャージナックル』は最初から覚えれる格闘系スキルで内容もそのまま溜めて殴るという単純なもので、このスキルは溜める時間が長くなればなるほど攻撃力が上がるという特性がある。
前にみた『チャージナックルめっちゃ溜めてみた』っていう動画ではレベル1ステータス無振りの人が30分溜めたチャージナックルで当時のレベル上限まで上げたVIT特化の人を一撃でぶっ飛ばすなんて事をしていた。とんでもない攻撃力だとその時は爆笑した。
そんなとんでもない攻撃力を得られる反面もちろん欠点だってある。
まずチャージ中に自身にダメージが入るとチャージが中断されてしまう事、そしてチャージ中はAGIが15%減少する事だ。
だからスキルの特性上相手の攻撃を全て交わしつつ溜めた攻撃を当てなければいけないチャージナックルは対集団戦闘には向かないはずなんだけど……。
「ほらほら、五人がかりでその程度っすかぁ!!」
宙に浮く守護者の腕の左腕を巧みに操り男達を完全にあしらい
「もう1発ゥ!!」
バチバチとチャージエフェクトを纏わせた守護者の腕の右腕(おそらくスキルの効果も連動してる?)で男達が吹っ飛ばされる。
あ、槍の人が一人やられた。
今まで五人がかりでも攻めきれてなかった男達、さらに槍の人が一人やられた事で攻める側から受ける側に。
つまり何が言いたいかと言えば、『ずっとマリアさんのターン』って事。あ、ほら早速。
「はなせぇぇぇ!?」
「うわあああ!?」
残りの槍の人と盾の人が守護者の腕に脚を掴まれて盛大に振り回されて、地面に叩きつけられて、たまにリーダーともう一人の盾の人にぶつけられそうになって、ご愁傷さまです。
そんな風に味方が捕まってるからリーダーも盾の人も余計に攻撃出来なくてひたすら回避するかガードするくらいしか出来なくなっちゃってる。
「グハッ……!」
「ゴフッ…!」
回避に失敗した盾の人が軽く吹き飛ばされて転倒する、そこにマリアさんが瀕死寸前の槍の人を力強く叩きつけた。その衝撃で槍の人のHPが0に、盾の人もHPがレッドゾーンになった。
そして槍の人を手放した事で空いた守護者の腕で槍の人を叩きつけられて瀕死寸前の盾の人を掴み、もう片方の盾の人に
ガンッ!ガンッ!ガギンッ!!
とぶつけ合わせ、10秒くらいしてから盾の二人が解放された。
ガシャンと鎧を鳴らして地面に落とされた二人の身体はちょっと曲がっちゃいけない方に曲がっていた。もちろん死亡である。
そして最後まで残ったリーダーさんは
「ふざけんな!こんなんやってられるか!?」
って言って逃げ出そうとしたのでこっそり空中待機してた楓の『麻痺花粉』で麻痺させてから『巨大化』した霙のスライム触手で全身拘束中。
更に武器防具アクセは月見の『餅逃げ』で全部没収済み、もはやリーダーはまな板の上の鯉も同然なのだ。
「後はコイツだけっすねー」
「あ、マリアさんお疲れ様です」
「冬歌ちゃんが先に後衛倒してくれたおかげで随分楽出来たっすからね。あのくらい余裕っすよ!」
「それは良かったです」
「ーー!ーーーー!」
「もう!今冬歌ちゃんと話してるんだから黙ってるっすよ!」
ドスッ!とマリアさんの拳がリーダーさんのお腹にメリ込む。
「ーーー!?」
「あー……。このリーダーさんどうします?」
「そっすねぇ、普通にぶっ飛ばすんでいいんじゃないっすか?」
「了解です、じゃあトドメさしちゃいますね?」
「ドカンとやっちゃうっすよ!」
「はーい。霙いくよー!」
霙がヌルヌルグロッキーになったリーダーを放り投げ、冬歌が降ってくるリーダーに向けて右腕を掲げる。
「もっかい!『竜炎弾』!!」
撃ち出された火炎弾はリーダーを空に連れ去り
ドッガアァァァン!!
大きな音を立てて真っ赤な華を咲かせた。
「たーまやー!」
ここまで読んでいただきありがとうございます!
気づいたら5000文字超えてましたん(ノ∀`笑)
次回も程々に早めに更新できる様に頑張ります!




