幼恋1
俺の名前は脇坂悠
突然だが、俺には好きな人がいる。
「ゆーう!どーしたのー?難しい顔して」
こいつの名前は芦苅奈緒
俺らの関係は幼馴染み。
もっと詳しく言えば、俺の好きな人。
まぁ、俺の一方的な片思いだけど。
「何でもねーよ」
「そ?あ、今日お母さん達帰り遅くなるって言ってたから悠の家に行くねー」
「……まじかよ…」
俺にとっては好きな人だが、奈緒にとって俺はただの “幼馴染み”
例え好きになったとしてもこの関係が崩れるのが怖くて告白が出来ない。
これがどれだけ辛いことか……
「まぁーた何か考えてるし。
今日おかしいよ?大丈夫?」
「おかしいって何だよ」
だけど悪いことばかりって訳でもない。
ふざけ合ったり普通なら出来ない事も普通に出来る。
俺が奈緒の彼氏じゃなくても奈緒の隣にいつもいるのは俺だ…多分。
「あっ!ねぇねぇ、知ってる?
5組の木下さんと原くん付き合ったらしいよー。
あの2人って確か幼馴染みだったよね?」
「あー…知ってる知ってる。
あれって原から告ったらしいぜ」
「へぇー!幼馴染みで付き合うっていうの本当にあるんだねー」
「……だな」
「でも私達はないよねー。
産まれた時から一緒だから兄妹みたいなものだし」
「…そ、だな」
やっぱり、奈緒は俺の事幼馴染みとしてしか見てねぇーよな……
気長に頑張っていくしかないか…




