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九話
「印刷」をクリックし、雅彦の部屋に向かう。
仕事机に置かれたプリンターからできたての遺書が吐き出される。
遺書、合計三枚。
私は確認もせず、それをそのまま机のうえに重ねておいた。
念のため、部屋の明かりをつけておくことにする。
これなら帰宅した雅彦が遺書に気付き、私の遺体もきっとすぐに見つけてくれるだろう。
はあ……。
思わず大きなため息がでた。
全身から気力が抜け落ちてゆく。
なんだかとても疲れたな。
私は雅彦のパーソナルチェアにへたりこんだ。
遺書が終われば、あとは死ぬだけである。
自殺、飛び降り自殺……。
死後の見た目は最悪だろうけど、致死度や手間、それに苦痛や恐怖を考えると、やはり飛び降り自殺が一番効果的な方法だと思われる。
私は胸に手をのせ、両目をとじた。