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六話
テロリン~
テロリン~
テロリン~
っは、と私は我にかえった。
携帯がなっている。
メールだ。
私はベッドに転がっているスマホを取りあげ、雅彦からのメールをひらいた。
香奈、いい子にしてるかい?
七時には帰るからねえ☆彡
今夜は香奈の好きな小田寿司へ行こう。
そのあとは、ホテルね(笑)
それじゃ、有明についたら連絡するねぇ(^^)
スマホの電源を切り、ベッドへ投げた。
もう、雅彦なんてどうでもよかった。
私にとってあの人は、寂しさをうめるためだけの存在であり、これから寂しさも孤独もない死の世界へ行く私にとって、雅彦はもはやどうでもいい他人である。
私は指の腹をキーボードへ這わせ、画面に映った書きかけの遺書に再び集中する。