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ごめんなさい……。  作者: 二階堂隆一
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五話

――具体的な内容を申し上げることは控えさせていただきますが「こうしたい、こうなりたい、こんなふうに見られたい、思われたい」など私の理想とする自己像と現実世界の今の自分とがあまりにもかけ離れてしまっていて、その途方もない距離感がそのままストレスとなり私を苦しめているのです。

 なにもかも思い通りにいかないのです。

 もちろん、自分なりに努力も致しました。

 何年も何回も努力を続けてきましたが、結果的に理想の自分に近づくことは叶いませんでした。

 結果がでないと、もしくは実感できないと、努力した過程だけが虚しく残り、満たされない私の心は、終わりのない日常のなかを永遠と漂い続けるのです。

 私は……生きることに疲れました。

 生きることそれ自体が苦痛となったのです。


 まわりを見わたせば、私なんかちっぽけな存在に思えるくらい、もっと過酷で、残酷で、絶望的な人生を歩みながらも、それでもなお前向きに強く逞しく生きている人たちがたくさんいます。

 ですが、私にはそれができません。

 なぜなら、私は弱い人間だからです。

 未熟で、臆病で、受動的で、ネガティブで、マイナス思考で、泣き虫で、寂しがりやで、弱虫で、消極的で、悲観的で、嘘つきで……。 

 そんな自分を好きになれるでしょうか。

 ムリです。

 好きになれるわけがありません。

 なにもかも思い通りにいかないと嘆き、今まさに自分の命を自らの意思で絶とうとする愚かな人間を愛せるひとなんてこの世にいるはずもありません。

 私には、この先の人生も明るい未来も、想像することができないのです――

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