御徒町樹里の西遊記外伝 続・リックの冒険(六百六十六文字小説)
この小説をネコにゃんに捧げます。
リックは古今無双のスケベな猫又です。
彼は遊麻と言う三毛猫を妖術で誘惑し、可愛い人間の女の子の姿にしました。
そして、法律スレスレの方法で妻にしてしまいました。
東京都では許されませんが、某○海道では大丈夫のようです。
こうしてリックは妻遊魔と共に御徒町樹里を助けるために旅に出ました。
しかし、気の多いリックは、たびたび寄り道をします。
二人は途中、大歓楽街に差しかかりました。
「そこのイケメンのお兄さん。寄ってらっしゃいな」
店の女将が声をかけます。
「はいにゃん」
身体の組織の七十七パーセントが下心でできているリックはすぐに応じてしまいます。
「お前様!」
そのたびに妻の遊魔の踵落としが炸裂します。
それでもリックは懲りません。
頭から血を流しながらも、呼び込みに反応してしまいます。
一計を案じた遊魔は、
「お前様、急ぎますよ!」
と回し蹴りを決め、一気に歓楽街を抜けました。
「酷いにゃん、遊魔たん」
リックはボロボロになりました。
「お前様が浮気をなさろうとするからです」
遊魔が上目遣いで言いました。
「にゃわん!」
リックはそれに興奮しました。
これより先は自主規制です。
そんな事を繰り返していたので、リックと遊魔が樹里達の所に辿り着いた時には、二人の間には数十匹の子猫ができました。妖怪は一度にたくさん子供を産むのです。
「いやあ、それにしても、我ながら頑張ったにゃん」
リックは誇らしそうに言いました。
「お前様、遊魔はあ、恥ずかしゅうございます」
遊魔は思わずリックに踵落としです。
「にゃわわん!」
リックはそのまま地面にめり込みましたとさ。
めでたし、めでたし。
もしかすると、まだ続くかも知れません。