怒れる神@異世界
『我はこの世界の神である。』
とある世界、地球で言えば中世ヨーロッパみたいな世界だ。読者諸君、あとは言わずとも分かるね。
ある日、この世界の王立学園に、突然顕現した神。
バッハのようなモフモフの毛に覆われた頭。両サイドにはクリンと丸まった太いツノが付いている。
羊みたいだな。皆は思った。
『我は今ヒジョーーーーに怒っている。』
フンス!! と多分眉に当たるところを吊り上げる神。
畏れ多いより、かわいいが先に来る。
『理由が分かるか? この国の王太子よ?」』
「お、俺!? あー、えーと、、、
もしかして、あれですかね? 国を上げての婚約破棄祭り、、、。」
『近い!! でも違う!
次、そこな平民!! そうお前、王太子に引っ付いてるの。』
「え、あたし!? えーと、、、
昨日学園の庭でジンギスカンパーティーしてたこと?」
『え? お前そんなことしてたの? うわぁ怒りポイント倍増だわー、ありえんわー。
でも違う!! ヒント、学園。』
そんなこと言われてもなあ。皆が首をひねる。
神様が人間の学園のことでお怒りになる理由なんて、、、
「あの、恐れながら申し上げます。
わたくし、王太子の婚約者。ミシガン侯爵家が長女、ビクトリアでございます。
...もしや、学園の教育カリキュラムに神学の時間が少ないことを、お嘆きでございますか?」
『いや、それはどうでもいい。
でもきみは良い子。20pt! ジンギスカンも食べてヨシ。』
そこは良いんだ。
『わっかんねぇかなぁ...じゃあ答え!
あのさ、お前ら、イジメっていうとすぐ教科書破るじゃん?
あれ、ただの紙じゃねーからな。羊皮紙だぞ羊皮紙。わかってんのか? 高級品だぞ?
そして、我の同胞の皮膚ぞ?
ここ大事な。【我の同胞の皮膚】。
そんなホイホイ破って良いもんじゃねーんだわ』
あー。確かに。
いじめと言えば教科書破り。
階段落とし、噴水池落としに並ぶ、学園三大名物の一つだったわ。
納得する一同。
というか羊皮紙かったいよねぇ。あれ破ける令嬢とか、ゴリマッチョかよ。
空気の読めない男子。
『ジンギスカンはまあ良いのよ。無駄にするわけじゃないからな。でも教科書は許さん。もう許さん。
いいな? 今後も破くようなことが続いたら、この世界の書物をすべて木簡にするからな?
絶対だぞ。』
最後にとんでもないことを言って、神様は消えた。
冗談じゃない。この世界の書物がすべて木簡に変わったら大変だ。図書館なんか破裂してしまう。
それから、その世界では教科書破りは大罪となり、大事に扱われるようになった。
世界は平穏を取り戻した。
『妾は噴水池に棲む神じゃ。
妾は今ヒジョーーーーに怒っている。』
またなんか来た!!
おしまい




