第24話 ミーナちゃんが、してもらっていた。
「はい、それじゃあ横になって……」
リビングルームのソファで、フェリシアがミーナに声をかけていた。
僕は同じ部屋の離れた場所で本に目を向けながら、その様子を聞いていた。
「……フェリシアさんから、なんだかイイ匂いがする」
「ハーブの香り袋です。気に入ったなら、今度あげますよ。じゃあ、私に身を任せて」
「ううっ」
ミーナがもじもじしている。猫耳がぺたんと伏せられ、尻尾が落ち着きなく揺れているのが横目に見えた。
「ほら、照れなくていいから」
「あ、フェリシアさん柔らかい……」
「ふふふ、ミーナちゃんだって柔らかいですよ」
「うにゃ~」
……なんだろう、この会話。
「それに綺麗な色、薄いピンク色ですね」
「あ、や、やっぱ止めっ……!?」
「逃がしません。初めてなら、怖いかもしれませんけど、大事なことですから私がしっかりやらせてもらいます」
「ううっ」
ミーナがびくびくと震えている。フェリシアはそれを優しく押さえつけていた。
「ほら、大人しくしなさい。大丈夫、優しくしてあげるから」
「大丈夫?」
「任せてください。手先は器用な方ですから。獣人族の方のは初めてですが……形が違うだけで大体同じです」
「信じる……」
ミーナが覚悟を決めたような声を出す。
「では、穴の周りからゆっくりといきます」
「んっ、んんっ……」
「そんなに硬くならないで、体を楽にして……ゆっくり中に入れますよ。痛かったら言ってください」
「ふっ、ふっ……んぁっ」
待って。待ってほしい。この子たちは、いま客観的に自分たちがどうなっているか、わかっているのか?
「痛かったですか? 一度抜きますね」
「痛くなかったけど、こう、むずむずして……」
「スッキリしました?」
「うーん、ちょっと変な感じ。まだ何かが中に入ってるよーな」
僕は耐えられなくなって声を上げた。
「とりあえず、君たちの言葉だけを聴いてるとすっごくモヤモヤするんだけど」
フェリシアが振り返る。その手には、細い耳かき棒が握られていた。
「どうやら、ご主人様も耳掃除が必要なようですね」
……耳掃除してるのは、見ればわかるけどさぁ。言い方っていうものが、さ。
変なことを想像してしまった自分が悪いんだろうか?




