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あとがき・絵

【暁に触れる。】をお読みくださり有難うございます。

 このページでは作者が好き勝手語っています。

 あとがきは、作品を書き終えた報酬。最高のご褒美だー!



 さてさて。まず、本作が生まれたきっかけはズバリ「流行りの婚約破棄で何か書いてみよう!」でした。小説でも漫画でも多数の作品に触れていたので、一度は手を出してみようかなと。


 婚約破棄モノでお約束なのが、美人で才女の貴族令嬢ヒロインが、王子に婚約破棄されるシーン。「真実の愛に目覚めた!」と言う王子の傍らには、大抵ヒロインより身分の低い、カマトトぶった女の子がいるんですよね。はい、私、高確率でこっちの女の子の方が好きです。


 可愛い子ぶっている設定だからか、見た目が幼く可憐なんですよ……大人っぽい美人より、こっちにビジュアルで惹かれてしまいます(笑)


 どうせだったらそっちをヒロインにして書いてみたい。それに、王子がそこまで愚かな行動をするのには、二人の間に深いラブストーリーがあったはず!

 とかなんとか妄想が膨らみ、色々あってこの作品が出来ました。当初から大分変わった形になりましたが。


 何故、二人は惹かれ合ったのか。

 何故、互いでなければならなかったのか。

 ただの恋ではなく、互いが自分の恋を受けられるようになるまでのドラマを書きたい……そんな思いで書きました。

 いや、本当は思うがままに書き進めただけです(笑)


 しかし、本当に難しかった!

 シレネもアルクも本心で向き合えないという制約があったので、距離が縮まらない! ときめいても切ない自虐に終わる!

 二人が本性を現してからが、本当に書きやすかったです。


 本作には二人をはじめ、悪とも正義と言い切れない人をたくさん出しました。それぞれにみんな、身勝手でしたよね。(レティシア以外)


 続いて、登場人物について、数名ピックアップして語ります。



 *



●シレネ


 話し相手が居ないので、頭の中で暗い独りごとを言う子。

 幼い頃はドゥラザークで酷い扱いを受けていましたが、ある程度成長してからは跳ねのけ、強かに生活していました。


 陽族語が幼い印象なのは、陽族としての彼女が、母といた時のまま止まっているから。最終話は夜族・陽族の二つの面がマージされて、ちょっとだけ落ち着いています。


 ソルヴィア王国に来てリリアナ・ローレンスを演じる内、感情移入しすぎて、心を取り戻していきました。


 彼女がよく食べるのは、夜族は魔力を消費する分、お腹が減るという設定です。アルクが大喰らいだというのも、彼の正体を示唆するものでした。

 では陽力を使う陽族は? というと、魔力は自らの生体エネルギーで、陽力は太陽神の力を宿したもの……という設定を、今思いつきました。



 *



●アルク


 器用に見えてものすごく不器用な人。シレネに関しても復讐に関しても、彼には甘いところがあります。虫も殺せなかった彼の母に似たのでしょう。


 完璧な王子を演じて、その虚像に精神をすり減らして……。

 素の状態でいられるのは、セシルとサイラスの前だけでした。


 シレネに出会った時に感じたものは、有体に言えば一目惚れの衝撃。(シレネ側もそうです)

 血が惹かれ合ったのか、互いの背負う影を感じ取ったのか、単純に好みのタイプだったのか……その全部です。


 ですがアルクの心には恋をする余裕がないので、頭で理由をこじつけていました。最終話時点で恋仲にはなっていませんが「世の中が安定したら、その時は」と考えている模様。


 ただこの二人は「幸せな家庭を作ろう」みたいな思考にはならないと思います。成長過程でその価値観が醸成されていませんし、混血が大体は虚弱に生まれてくると言う事も知っているので。


 平和な世のために奔走し続け、時に花園でゆっくり語らう、そんな幸せが二人に訪れますように。



 *



●エレナ


 可哀想な人。彼女は悪くないんですよね。途中、アビスに引っかかって悪事に手を染めてしまったものの、それにも同情の余地がある。エレナはただ、アルクが好きだっただけです。


 恋の始まりは婚約が決まった時。家に居場所の無かった彼女は、王妃に「アルクにはあなたが必要」と言われ、自分の存在意義を見つけました。ただそれだけでなく、アルク自身にもちゃんと惹かれていました。それが表向きの彼だったとしても。


 けれど、好きだから報われる、悪ではないから報われる、というのは違う。愛ってきっと、そんな都合の良いものじゃない。例え相手が悪であっても、全てを放り捨ててでも手を掴んでしまう……そんなものだなと思っています。だからエレナごめん。そもそも王妃に似ている時点で、だいぶハンデなんだ。


 エレナとアビスの最後のシーンは気に入っています。

 婚約破棄された令嬢が、魔法使いとか魔族とか魔王とか、そういう特殊なイケメンに出会うのもまた良きテンプレかな、なんて。



 *



●サイラス


 アルクのことを大切に思っているのですが、空回りしている人。

 長い灰色の髪、銀縁眼鏡、胡散臭い笑顔……絶対刺さる人多いでしょ、というビジュ。


 文無し単身でアルクの母を探す中、あらゆるスキルを身に着けた天才。気弱だった少年時代の自身は、村を出る時に家族と共に埋葬しました。


 アルクの代わりに、エレナにセンスのいい贈り物や手紙を送っていたのはサイラスです。シレネの見舞いにもフルーツ盛りを贈りました。


 叔父か兄気取りで、今後もアルクに勝手な恋愛アドバイスを続けるでしょう。ただ本人には“まともな”恋愛経験は殆どありません。


 シレネの教育係に出会った時の「クレマチスの花のような青紫色の髪をした長身の男」というのは、三人称の地の文章なのですが、サイラスが受けた印象で描いています。サイラスは花好きのアルクの影響を受けています(笑)


 一度アルクの信用を失ってしまいましたが、シレネの脱獄手伝いで少し回復。最終話時点では、シレネを挟んで関係再構築中。



 *



 ……本当は全員分語りたいですが、収拾がつかなくなりそうなので終わりにします。最後は手描き絵をちょこっと。



挿絵(By みてみん)


 表紙絵のアルクとシレネ。勢いで描き、この時はじめて二人の髪型のイメージが固まりました。書き終えた後「あ、アルクの額の徴、見えないじゃん!」と思ったのですが、彼の生い立ちや性格を考えると隠していそうなので、このままに。描き起こすと見えてくるものがありますね。



挿絵(By みてみん)


 シレネの本性。

 童顔だけど、表情は妙に大人びているイメージです。年齢的にはだいぶ大人ですしね。(陽族と夜族の成長が異なるとはいえ)



挿絵(By みてみん)


 完結を自分で祝った絵。

 アルク、シレネ、レティシア、セシルです。


 レティシアの容姿に、好きをぶち込みました。ピンクブロンドの甘そうな子、好き~! 制服にお気に入りのリボンとか付けちゃいます。シレネは与えられた制服、そのまま(笑)


 セシルはナンパだけど、無邪気な感じ。


 本編で書きませんでしたが、四人は何度かピクニックしたり、勉強会したり、仲良くしていました。本編後も再会して、前より仲良くなれると良いな。



 ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!

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