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51. 『園の中に、ぼくの小さな居場所』

朝の光が、窓から優しく差し込む。


ミミルの耳がふにゃっと顔に当たって、

くすぐったくて目が覚めた。


 


「……おはよう、ミミル」


ミミルはいつも通り、

ぎゅっと抱きしめ返してくれた(気がした)。


 


今日は、園のなかで“おたすけ係”をする日。


この前、ノアくんがやってたのを見て、

ぼくもちょっとだけ、やってみたくなった。


 


「……大丈夫かなぁ」


ぼそっとつぶやくと、ママが髪を整えながら微笑んだ。


「ルカなら、きっと喜ばれるわよ。

 だって、あなたは“誰かのため”が自然にできる子だから」


 


そう言われると、ちょっと恥ずかしい。

でも、うれしかった。


 



 


園に着くと、先生がエプロンを渡してくれた。


「今日は“先生の小さな助手さん”お願いね、ルカくん」


エプロンのタグには、“特製・ミミル柄”の刺繍。


それだけでちょっとテンションが上がる。


 


今日のぼくの役目は──

•迷ってる子に声をかける

•おやつを配るときに「どうぞ」って言う

•泣いてる子がいたら、ぎゅってする(ミミルごと)


 


……できるかな、うまくできるかな。


 



 


最初は、ちょっと緊張した。


けど──


ころんと転んで泣いちゃった小さな子に、

ミミルを差し出して「だいじょうぶだよ」って言ったら、


その子がぎゅっとミミルを抱いて、笑ってくれた。


 


そのとき、なにかが胸の中にぽっと灯った。


 


「ありがとう、ちっちゃい先生!」


「……えへへ」


なんだか、ちょっとくすぐったい。


 



 


お昼寝の時間。

みんなが寝息を立てる中、ミミルを抱えたまま、ぼくはそっと空を見た。


 


この世界には、

ぼくがいていい場所がある。


優しい園の先生。

だいすきな園児のみんな。


そして、そっと背中を押してくれるママとパパ。


 


“誰かの特別にならなくても”──

“ここにいるだけで、嬉しいって思ってもらえる”。


 


それは、きっと……前の世界では知らなかった幸せ。


 



 


その夜の魔法日めくりカレンダーの言葉:


『だれかの手を握ると、こわくなくなる。

 そして、あなたが誰かの手になれるとき、

 それはもう、あなたが“強くなった”証なんだ』


 


──この日、園でのおたすけ係“ルカ先生”は、

ほとんどの子から“ほんものの先生より優しい”と噂されたらしい。


(本人はただ「がんばったの」と言って、ミミルをほめていた)


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