49.5 (園児視点) 『この場所で、ルカ様と出会いなおす』
◇ユリウス・視点
空中庭園なんて、ぼくには縁のない世界だと思っていた。
でも……
ブランコに座ったルカ様が、ぼくを見つけて言った。
「ユリウスくん、一緒に乗る?」
一瞬、心がふるえた。
……あの日、捨てたはずの、なにか大事なものが──
この庭に置き去りにされていた気がした。
だから、少しだけ勇気を出して隣に座った。
(ここにいていい)
そう思えたことが、奇跡だった。
◇カイン・視点
は? 空に庭? 何の冗談だ。
しかも“ルカ様専用”だって? 甘やかしすぎだろ。
……って思ってたのに。
実際に来て、あいつの顔を見た瞬間──
「カインくんが来てくれて、すっごく嬉しい!」
って、キラキラした目で言われて、終わった。
俺の防御魔法、0.3秒で崩壊。
つーかなんだよ……
あんな顔、ずるいだろ。
ネジ締めながら必死に気持ち誤魔化したけど、
ちょっと泣きそうになってたの、気づかれてねぇよな……?
◇レオン・視点
「おいしそうな風がする!」
そう思って駆けつけたら、ルカ様が笑って迎えてくれた。
ふわふわの芝生。甘い風。優しい光。
ここにいるだけで、心がぽかぽかする。
でも──
ルカ様の「ここ、みんなの場所だよ」って言葉が一番、あったかかった。
そうか。
この庭は、“ルカ様の心そのもの”なんだね。
だから、
ここに来るたび、ぼくたちは「愛されていいんだよ」って言われてる気がするんだ。
◇ノア・視点
ブランコに乗るルカ様を、
少し離れたベンチから、静かに見ていた。
お花を咲かせてあげたら、ルカ様が言った。
「ノアくんが咲かせたお花、すごくきれいだね。ありがとう」
──その言葉が、
ぼくの“初めての宝物”になった。
この庭で過ごすたびに、
ぼくはきっと、少しずつ「誰かを幸せにできる人」になれる気がする。
◇
4人の園児たちは、まだ言葉にならない感情を抱きながら、
この空の庭に“自分の居場所”を見つけていった。
語録には、こう記された。
『愛は、場所にも宿る。
そこに立つだけで、心がふわっと軽くなる場所。
きっと、空中庭園はそんな“魔法の記憶”を運ぶんだ』




