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49. 『この庭が、ぼくの世界とつながる場所』

空中庭園ができてから、何日か経った。


 


最初に来た日はびっくりして──

ミミルと一緒に天井の星を見上げたまま、いつの間にか眠ってしまった。


でも今日は違う。


 


今日は、**“みんなと一緒に過ごすため”**にここに来た。


 


 



 


空中庭園の扉が開くと、

先に着いていたユリウスくんが、そっと微笑んだ。


「ルカ様、今日は……その……いっしょに本、読んでもいい?」


「うん。きてくれて、ありがとう」


 


レオンくんは、ミミルのサブベッドに座りながら、

「こんな場所、ひとりで使ってたらもったいないもんね」と笑った。


でもその目は、ちょっとだけうるんでいた気がした。


 


ノアくんは庭の小道に魔法でお花を咲かせて、

「ここ、僕が飾っていい?」と小さく聞いてきた。


「もちろん。ぜんぶ、ぼくの“たいせつな人たち”の場所だもん」


 


 



 


カインくんは──

黙って、ブランコの支柱のネジを一つひとつ点検していた。


「……この前より揺れが安定してる」って、顔をそらしながら。


ぼくは、ありがとうって言ったら、

「……べつに、お前のためにやったわけじゃねぇし」って返ってきた。


でもその背中は、ちゃんと優しかった。


 


 



 


みんなで過ごす空中庭園は、

風の音も、魔法の香りも、ふしぎと柔らかく感じた。


 


それぞれが、思い思いの時間を過ごしていたけど、

なぜか──“ぼくの隣にいる”って感覚がずっとあった。


 


ああ、ここはきっと、

“誰かの心がつながる場所”なんだ。


 


 



 


夕方、みんなが帰ったあと。

ひとり、ブランコに揺られながらミミルを抱いて空を見た。


 


「……なんだかね、空って、さみしいときと嬉しいときで、色が違って見えるんだね」


 


ミミルは静かに光りながら、

風に乗って揺れる葉を見つめていた。


 


 



 


魔法日めくりカレンダーの翌日の言葉に、こう記された。


『帰る場所ができたら、 そこに人が集まる。

 人が集まれば、想いが生まれる。

 その想いが、世界を優しく変えていく』


 


空中庭園は──

もう、ぼくひとりの場所じゃない。


ここは、“ぼくと、みんなの、やさしい世界”なんだ。


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