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44. (レオン視点②) 『この距離は、守るためにある──不器用な僕の恋心』

ルカ様が「おつかい」で街に行ったと聞いた時、

最初に思ったのは、「なんで俺じゃなかったんだ」だった。


 


次に浮かんだのは、

「また、誰かに見つかって惚れられるんじゃないか」って不安だった。


 


 



 


俺は、ちょっとだけ体が大きい。

力もある。声も低い。


だから、園でも「頼れるタイプ」って見られる。


……けど、ほんとは違う。


 


「触れたい」って思うたびに、

自分の手が“でかすぎて壊しそう”で、怖くなる。


 


 



 


帰ってきたルカ様は、いつも通りに笑ってた。


──それが、いちばんつらい。


 


「すごかったよ! パン屋さんに惚れられて、

 宝石屋さんには“髪の毛1本ください”って言われて……」


 


……やっぱり惚れられてんじゃねぇか!!!


 


 



 


でもその夜、偶然、ルカ様の語録ノートを見た。


 


『惚れられるより、笑わせたい。

 持ち帰られるより、“また会いたい”って思われたい。』


 


その文字を見て、胸がじんってなった。


──ああ、やっぱりこの人は、“人たらし”なんかじゃない。


 


「また会いたい」って思わせるのは、

この人の優しさが、光の温度をしてるからなんだ。


 


 



 


次の日、俺はルカ様に、お菓子を作って渡した。


ごまかすように言った。


「べ、別に……お前がまたモテてもいいように、腹ごしらえさせとこうと思ってな」


 


ルカ様は、くすっと笑ってこう言った。


 


「じゃあ、今日の“また会いたい”は、レオンくんにあげるね」


 


 


──もう、好きだ。どうしようもなく。


でもこの気持ちは、“押しつけない”って決めてる。


 


 



 


日記にはこう書いた。


『好きだからこそ、触れない勇気がある。

 守るための距離って、きっとあるんだ。』


 


明日も、隣にいられたら、それでいい。


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