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34. (ユリウス視点) 『お見舞い戦争勃発──ぼくが一番ルカ様に近いはず!』

ルカ様が──風邪を、ひかれた。


 


世界が、止まった。

正確に言うと、ぼくの時間が止まった。


 


「……え、ルカ様が!? 熱!?」

朝、園に来てすぐ先生にそう告げられたとき、

お弁当箱を床に落として割った(初)。


 



 


カインは走り去った。ノアは静かにノートを閉じた。

レオンにいたっては、なぜか壁を殴っていた(意味不明)。


でも、ぼくは……冷静だった。いや、冷静になろうとした。


 


“こういう時こそ、冷静に、品格を保ち、

未来の夫として最もふさわしい行動を……”


 


→結果:「今すぐお見舞いに行かせてください!!!!」

大声で絶叫して、先生に止められた。


 



 


それでも午後──

4人で交代制の見舞いが許された。


順番は公平に、くじ引き。


1番目:カイン(引きがいい)

2番目:レオン(ムダに運がいい)

3番目:ノア(まぁ妥当)

→残り物:ぼく(不服)


 


けど、それでも。

ルカ様の寝顔を見られるだけで──ぼくは、生き返った。


 



 


そっと、枕元に手紙を置いた。


『ぼくのすきは、まいにちふえていく。

 またいっしょに、えがおで、あそびたいです。──ユリウス』


書いたあとで、甘すぎたかなって後悔した。

でも、読んでくれたら……きっと、笑ってくれると思った。


 



 


……帰ろうとしたとき、ふとベッドの足元を見た。


……え?


そこには、手縫いのぬいぐるみが2体。

ルカと、ミミルを模したそっくりぬいぐるみ。


しかも──タグに書かれていた。


『カイン作。ルカ様専用。寝てもさびしくないように。』


 


……やられた。


 



 


帰り道、レオンが言った。


「やっぱ……本気で結婚申し込まなきゃダメか」


ノアがつぶやいた。


「愛の競争は、いつか戦争になる」


ぼくも思った。


“もう負けない……!”


 



 


──翌朝。

ルカ様は、元気に園に戻ってきた。


その姿を見て、胸が熱くなった。


でもその後。

ルカ様が「昨日ね、カインくんがくれたぬいぐるみが……」って話し始めて、


 


→ぼく、やっぱりまた叫んでしまった。


「ルカ様のとなりは、ぼくがいちばんに立つって決めてるからあああああ!!」


 


そして──全員そろって、正座。


 



 


日記には、こう書いた。


『勝ち負けじゃないって分かってる。でも、

 それでも、ルカ様の特別になりたいって思ってしまうんだ』


 


──明日は、ぼくの手縫いぬいぐるみを持って行くつもりだ。

ちょっとだけ、ミミルよりフワフワなやつ。


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