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20. 『精霊たちが勝手に崇拝してきて、ルカが“世界樹の守人”にされました』

その日は、少しだけ風が強かった。


園の裏庭で、僕はミミルを抱きながら木陰で昼寝していた。

気持ちいい。あたたかい。鳥の声もやさしくて──


 


「……ッ! この波動は……!!」

「主様……目覚められた……!」

「主様ァァァァァァ!!」


 


突然、空間がピシッと割れて、

キラキラとした“何か”が数十体──いや、数百体──飛び出してきた。


 


「……えっ?」


ミミルがふるふると震えてる。僕も、動けない。


「主様、ご無事で……!涙が……!枯れまする……!」

「なんと神々しい小ささ……!90センチ……理想形……!」

「これは……我ら精霊界総意による崇拝でありますッ!」


──え、ちょっと待って。何の話!?


 



 


そこから、事態は急加速した。


【世界樹精霊界 公式声明】

・ルカ・エインズレイ様を、第四代世界樹守人グランドキーパーに自動認定

・理由:波動値∞、魔力適性S、容姿SSS、愛され指数∞

・特例として、本人の意思は“後日聞く”こととする(即日発令済)


 


……聞く気ないじゃん!?!?


 


王都の魔法議会が対応に追われ、

園は精霊対策のバリアを常時展開し、

ガルド(パパ)は剣を抜いて言った。


「精霊だろうが何だろうが、うちの子を巻き込んだら斬るぞ」


「おちついて。とりあえずミミルが震えてるから、まずは慰めてあげて」


「ミミルが国宝になってから、責任感が重くなってるのか……」


 



 


その夜。


精霊たちがやや静まり返る中、

一体の“長老精霊”が、僕の前にふわりと現れた。


「主様。我らは、前世でもあなたに救われました。

それを……今、あなたの魂が思い出しかけておられる」


「……ぼくは、みんなのこと……まだ、よくわからないよ。

でも、“そばにいたい”って気持ちは、あるの」


 


長老精霊はにっこりと微笑んだ。


「それで十分。主様が主様であるかぎり、我らは仕えましょう」


そう言って、精霊たちはそっと去っていった。


 


──その後、“世界樹守人ルカ様”の称号が王立魔法記録に記載され、

園でのルカのあだ名が「ルカ様(精霊ver.)」に統一された。


 


でも、僕は変わらない。


今日もミミルを抱いて、園の教室でにこにこと笑っている。


「ねえミミル。

ぼく、またちょっと、世界が広がったみたい」


ミミルはふわりと光って、僕の肩にそっと寄り添った。


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