文字を連続で羅列するホラー小説はビッグモーターによって殺された。
山奥の廃墟に入った時、私は壁一面に死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね……と書かれている部屋を見つけた。
なんということか。
ビッグモーターのパクリではないか。
わたしは足早に引き返すと、山裾で運よく通りかかったタクシーを止めて、乗り込んだ。
「お客さん、どこまで?」
「近くのファミレスまで。こんなとこにはいられない」
タクシー運転手がびゅんとタクシーを走らせながら、息を切らせる私に不思議そうな目を向ける。
「何があったんです?」
「実は、先ほど、奇妙な家を見つけ、そこに入ったのです。そして、そこには文字が買いてあったんですよ」
「へぇ、それって、もしかして、こんな感じですか?」
タクシー運転手が、前を見たままに、ポケットに入っていた手帳を取り出して、私に渡す。
私はその手帳を開けて愕然とした。
逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ……
「逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ」
私はまた頭を抱えた。
また、ビッグモーターのパクリだ。
タクシーから飛び降りると、私は道端を転がり、そのまま、一目散に逃げた。
もう、文字羅列ホラーは、お笑いのようなものだ。
「破ぁ!!」
突然、まばゆい光がしたかと思うと、私は明るい光の差す中、目が覚めた。
見れば、傍には寺生まれのTさんがいる。
「文字羅列にだって、ホラーだ。諦めるんじゃあないぜ」
そういうと、Tさんは去って行った。
寺生まれはやっぱりすごい。そう思った。
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