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魔力強化

「チュウゥゥゥゥ!」


 遠くからさっき倒したネズミ、クイックラットの鳴き声が聞こえる。


(おっ!早速来るか。攻撃される前にこっちから仕掛けてやる。『アシッドウォール』)


 酸魔法の一つを発動させ、視界に酸の壁が湧き出てくる。


 それでもクイックラットは止まる気配は無い。

 

 普通は目の前に怪しげな壁があると本能的に危険と判断し、避けたりするが、クイックラットの持つスキル『突進』は俊敏を上げる代わりに真っ直ぐしか進めないというスキルなのでネズミの意志に関係なくそのまま突っ込んでいく。


 壁を突き進んだネズミは大量の酸を浴びて、毛や皮が溶ける。

 その痛みのせいで集中力が切れ、スキルを解いたしまった。


「チュウゥヴアァァアー」


 あまりの痛みに大声を上げ、のたうち回る。

 その隙をスライムは逃さず、トドメに『アシッドバレット』を放つ。

 小さな弾丸がクイックラットの体に当たり、そのまま絶命した。


〈レベルが上がりました〉


(ふぅ〜、今回はスムーズに出来たな。それにレベルも上がったし、これであのネズミはもう大丈夫だな。この調子でどんどんいくぞ)


 スライムは止まる事をせず進み続け、クイックラットの鳴き声が聞こえたら、同じ方法で何回も倒して行った。

 見つけては魔法を発動させ、息の根を止める事の繰り返しを何回もしていて、普通の人で有れば飽きてしまうがスライムの頭の中にはレベルを上げる事しか無く、同じ動作が苦では無かった。


 3回目くらいからはレベルアップしにくくなり、一回だけでは上がらなくなっていた。

 それでも何回と戦っていき、ステータスを表示させレベルを見ると、21になっている。


(ふぅ〜、流石に疲れたな)


 敵を見つけたら先手を打つ為素早く行動し、魔法を放つ。

 それを繰り返しているのでMPが減り、段々と体が重くなっていた。

 

 スライムは敵を倒している内に疲れていく事に気付いて一旦レベル上げを止めた。


(あれ、レベルが20を越しているのに進化しない。もしかして10刻みじゃないのか。次の進化は何レベでなるんだ?)


 まぁいっかと思い進む。

 地面には酸によって溶け、血に塗れたクイックラットの死骸がそこら中に転がっていた。

 目の前にも今さっき倒した物がある。 

 

 スライムはそこでふと、ラノベやアニメでスライムの主人公はモンスターを体内で消化して強くなる事を思い出し、自分の場合どうなるんだろう、と気になった。

 

 丁度、目の前にあるので、試してみるかと思い、死体に近づき、覆いかぶさる様にする。

 しかしスライムの体には膜の様な物があり、体内に入れる事が出来なかった。

 

(まぁ、あれは小説の話だからな。それにスライムに口らしき物も無いから無理だろうな。ちょっと期待したのに。……膜がなくなる様に出来ないのかな?)

 

 もう一度覆いかぶさり、今度は体の膜が無くなる様にと考えているとズブッと何かが入っていく感覚がした。


(おぉ、入った。何というか、異物が入ってるのに何も感じないって不思議だな。それになんか溶けてね?)


 スライムの体の中でクイックラットの死体は溶けて消えかかっていた。

 死体の中にある紫色の石みたいな物まで綺麗さっぱり無くなり、あたかも最初から無かった様に見えなくなった。

 

 すると何かが体の中に流れてくる感覚がした。

 

(うわっ!何だこの感覚は?レベルアップでもしたのか?いや、でも上がった時のアナウンスが無いな)


 確かめようとステータスを出す。


 ワクワクして能力のパラメーターを見ると攻撃力などは上がっておらず、何故か魔力を100もらう。

 MPが満タンにになったら上限値が上がり、最終的にMPは自分両方102になった。


 ーーーーーーーーーーーー 

 名前:なし

 レベル:21

 種族:アシッドスライム


 HP:144/144

 MP:102/102

 攻撃:36

 防御:36

 俊敏:12

 知力:101


 種族スキル:『魔力生命体』


 スキル:『魔力感知』『酸魔法Lv2』『水魔法Lv1』『再生Lv1』


 ユニークスキル:『進化の可能性』

 ーーーーーーーーーーーー


(MPが上がったって事はさっき流れてきたのは魔力だったのか。攻撃とか防御が上がってくれれば良かったけど、そう上手くは行かないか)


 ラノベやアニメの影響で倒したモンスターを食べるとレベルが上がったり、強くなったりすると思っていたが、そんな事にはならなかった。

 しかしモンスターの死体にある魔石を体内に取り込む事で魔力に変換し、MPを回復する事ができる。『魔力生命体』のスキルを持つスライムにとっては実質HPが回復した事になる。 

 そして、MPが満タンだった場合は上限値が上がるので倒した分だけ魔力は多くなる。


 回復かつ簡単にMPを上げる手段が分かり、早速そこら中に、転がっている死体をどんどん喰らっていく。

 血溜まりがあっても気にせず、全ての死体を丸ごと吸収した。

 

 今まで倒したモンスターを全部喰い終わるとMPの上限は602になり結構上がった。


(これで魔法が打ち放題になるし、そう簡単に死ぬ事が無くなるな。それにしても死体は何処へ消えたんだろうか?まっ、気にしても仕方ない。よしっ!この調子でどんどん奥に行って、どんどん倒しまくるぞ!)


 テンションMAXで進んでいくスライムはネズミ如きなんかもう楽勝だ!と言わんばかりに張り切っていた。


 実際にクイックラットが一匹、二匹出た所で、酸系のスキルを浴びさせれば簡単にしとめる事ができ、レベルが上がったスライムには作業をするかの様に淡々と行える。


 苦労せずレベルアップ出来たせいで調子に乗り、まるで自分の家の庭を散歩する様に飛び跳ねながら進んで行く。


 それでも、ダンジョンは我が物顔で進むスライムを排除する様に新たな敵を用意する。


「チュウゥ」「チュウゥ」「チュウゥ」「チュウゥ」「チュウゥ」


 クイックラットの鳴き声が奥から聞こえる。


 確かにスライムのレベルではもう既に簡単に倒す事が出来るであろう。

 しかしそれは敵が単体で突っ込んできた場合のみ。

 複数のクイックラットが同時に攻めてきたら、最悪の場合HPとMPを全部削られ、今度こそ本当に死んでしまう可能性がある。


 そんな事は知らず呑気に、新たな獲物が来たと思いスキルの準備をする。

 

「「「「「ヂュヴゥゥゥゥ」」」」」


 重なったクイックラット達の鳴き声がダンジョン内に響き渡り、同時に突進してきた。

 それに驚いたスライムは咄嗟にスキルの発動を中止し、避ける事を選択する。


 進化し、レベルアップしたスライムは最初の頃と違い、クイックラットの動きを目で追える程になっており、また真っ直ぐしか突っ込んで来ない事は十分に分かっている。


 こちらに一直に突進してくる敵を視認し、冷静に横へと飛び跳ね、回避する。


通り過ぎて行った方向を見ると、同族の仇を打とうと複数のクイックラットが目を赤く光らせている。


 今、スライムに二度目の危機が訪れようとしていた。

 

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