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77 謎多き男

その後、イザベラはノアとクエストを行いながらコンテストに優勝するための戦略を練った。

分かったことといえば、ノアは出鱈目に強く頭もキレるということだ。一見チャラそうに振る舞っているが、その実力はかなり高い。イザベラより高いのはもちろんもしかするとリアムと同等クラスかもしれない。

コンテストにランクは関係ないため聞くことはなかったが、ノアもBランクだったりするのだろうか。


(コンテストに訳あって出場しなければならなくなったって言ってたけど、訳ってどんな訳よ)


何から何まで怪しいのだが、かといってイザベラに何か悪意を持っているわけでもなさそうだ。神秘のネックレスも確認するだけで欲しいわけではないと言っていたし…まあ優勝してから意図を確認してもいいのかもしれない。

それにリアムとシャーロットには相変わらず出会えずにいた。彼らと出会えないのであれば、コンテストに出るためにはノアは必要な存在である。


そう思い、コンテスト出場にも登録することとなったのだが…


「随分と参加者が少ないのね。こんなに人がたくさんいるのに…」

「まあ、コンテストまでの期間が短いのと、カップルという縛りが効いているのかもしれないね。ペアで出場ってなかなかハードル高いでしょ?」

「確かに…」

「それにこのコンテストは注目度が高い。世界中に発信されるのに、下手なところを見せても格好悪いしね」

「あなたは構わないの?」

「だってオレたちは優勝するんだろう?」


参加受付の帰り道、並んで歩き会話していた二人だったが、ノアの自信たっぷりの様子にイザベラは押し黙った。やたらと自信家なところはリアムに少々似ているかもしれない。

タイプとしては全く異なる二人なのだが。

胡乱げに見ていると、ノアが肩を竦めて微笑んで見せた。


「自信なくしちゃったの?マイハニー」

「やめてよ、そんな甘々な感じにする予定はないでしょう?」

「まあ、そうだけど。これも役作りの一貫だって」


本当に掴めない人物だ。だが、今は協力するしかない。それに彼は攻略対象者かもしれないのだ。


(こういうタイプって意外と攻略難易度高かったりするのよね)


恋愛ゲームの定説からいくと、ツンデレよりもチャラ男の方が難易度が上だったりするのだ。ある程度懐には入れてくれるくせに肝心なところではガードされるというか。闇を抱えがちというか。


(ノアも何だか含みがあるようだし…どちらにせよ一筋縄にはいかないわね)


まさかコンテストに共に出場しただけでクリアというわけにはいくまい。できればコンテストまでに仲を深めていきたいのだが。

答えたくない質問をイザベラがすると、のらりくらりとかわしてくるのだこの男は。


(時間…足りるかしら)


何を考えているのかよく分からない人の良い笑みを浮かべるノアを、イザベラは怪訝に見返すのであった。

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