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60 行方不明事件

結局その日、総出で探したもののリークは見つからなかった。

さらに翌日、今度は別のシルフィという名の少女が郷から姿を消した。

この少女は臆病で、自ら姿をくらますなど有り得ないということであった。

二度あることは三度あるとはよく言うもので、その二日後にまたもや1人の少年が行方不明となった。

これで合計3人もの行方不明が出てしまった。


こんなにも総出で探し回っているのに行方不明者は増えるばかり。

もしや何者かの仕業ではないか?と口々に囁かれる中で、ついにこんな話が出てきた。


いわく「子どもたちが行方不明になるようなことは今まで一度たりとも起こったことはない。こんなことが起きたのは人間を郷に入れたからではないか?」と。


イザベラこそが犯人だと言うものもあれば、人間を郷に住まわせたことで島の神がお怒りなのかもしれないという噂もあった。


あんなにも友好的であったエルフたちは次第にイザベラと距離を置くようになり、イザベラも申し訳なさを覚えて最初こそは皆と共に行方不明者を懸命に探していたのだが、徐々に引きこもるようになってしまった。


今では進んでイザベラと接点を持とうとするのは、村長であるレイルくらいである。

今日もイザベラの借りている家へとレイルが食事を届けにやってきた。


「軟禁しているようで、申し訳ない。皆も悪気があるわけではないのだが…」


レイルが申し訳なさそうに頭を下げた。きっと彼は子どもたちの捜索のため寝る間もないほどに忙しいだろうに、イザベラに対して文句1つ告げることはなかった。その誠実さにイザベラは胸が苦しくなる。


「いえ、こちらこそこんな時に食事の気遣いまでありがとう。その...子どもたちは?」

「依然行方知れずのままだ」

「そう...」

「.....実は、子供たちを探しに森の奥まで行ってみようと思っている」

「えっ」

「森の奥には凶悪なモンスターがいて危険だから誰もまだ行っていないんだ。だからこそ俺が行く必要がある。すまないがもう少しだけ辛抱してくれないか。必ず子供たちは俺が見つけ出そう」

「ちょ、ちょっと待って!」

「なんだ?」


慌ててレイルの話を遮ったイザベラに、レイルが不思議そうに首を傾げた。


「まさか一人で行くつもりじゃないわよね?」

「勿論そのつもりだが?」

「ダメよそんなの!私も行くわ!」

「え...?」


凶悪なモンスターの元に万全でないレイルを一人で行かせて自分はぬくぬくと安全な家で待っているなんてことが出来るわけがなかった。

そもそもイザベラは犯人ではないものの、もしかしたら何かしら事件との関連性があるかもしれないのだ。

危ないからと渋るレイルを何とか説得し、翌日二人で迷いの森へと向かう約束を何とか取り付けた。

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