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30 ランクアップ

Dランククエストは様々あっだが、敵を数多く倒さなければならないものより、強いボスを倒すクエストを選ぶことにした。

そちらの方がリアムとイザベラ、それぞれの強みが活かせると判断したからだ。

ボスは基本的に自分の縄張りから動くことはなく、ある程度の時間が経つと復活するらしい。

クエスト内容は、ボスに被害を受けて困っているというよりは、ボスを倒したときに得られる素材を求めるものが多かった。


(なーんか、ほんと…人助けっていうよりも、商売の延長って感じよねえ…)


リアムからは何でもいいと言われたため、最も近場のクエストを選び、受注することにした。



初めてのボス戦ということもあり、イザベラは大量の魔法薬を持って行った…のだが


「……は?…どういうこと?」


目の前にはボスの死体。イザベラは最初の一撃しか攻撃していない。

さっと前に飛び出たリアムが目にも止まらぬ速さで剣を振るい、ボスを仕留めてしまったのだ。

ボスであるオークキングのであろう緑色の血のついた剣を振って、腰のベルトに納めたリアムが、無表情のままイザベラの方へ振り向いた。


「だから言っただろう。白魔道士は不要だと」

「…え、…でも…ちょっと待って。貴方のランクは何?」

「Bランクだが?」

「Bランクですって…!!?」


なんということだ。どうしてそんな高ランク者が王都に居るのか分からないが、Bランクといえばほぼトップランクである。最上ランクはAなのだが、Aランク者はほとんどが国から雇われており、国からの依頼をこなして収入を得ていると聞いた。確かに報酬もギルド協会からと国からとでは大きく異なるだろう。もちろん権力をアピール出来る面としてもAランクの方が良いに決まっている。

つまり、Bランク者とはギルド協会に顔を出す者の最上ランクと言っても過言ではないのだ。


あまりの事実にあんぐりと口を開けて固まるイザベラ。

リアムは不思議そうに首を傾げた。


「魔王を倒すパーティの一員として申し分ないと思うが?」

「…ええ、そうね…。私が弱すぎるだけだわ」

「まあ、誰だって最初は初心者だ。目標が高ければ高いほど、それに見合った努力を重ねれば実力もつくだろう」

「……その通りね」


王都に来てからというもの、イザベラは自分の実力の低さを嫌というほど思い知らされていた。

このクエストだってリアムと受けたからすんなりとクリア出来ただけであって、もし自分と近い実力の者だけでパーティを組んでいたらどうだっただろうか。

なんだかズルをしてしまったような気持ちになり、イザベラの表情が曇る。


「なんだ?折角ランクが上がるというのに嬉しそうじゃないな」

「そんなこと…ないわ。貴方のおかげよ、ありがとうリアム」

「ああ、では戻るか」



イザベラのモヤモヤとしたこの気持ちを今共有出来る相手はいなかった。


ギルド協会へ戻った二人は冒険者カードをカウンターに差し出す。受付はビルだった。そういえばロビンは今日休みだと言っていたのを思い出す。


「わお!おめでとうイザベラちゃん!仲間も見つかったんだね!それにしてもBランクかあ…よく見つけたねえ」

「あはは…ありがとう、苦労したわ」

「イザベラちゃんが探している仲間ってどれだけ凄い人なんだろうと思ってたんだよねー。イケメンで高ランクの剣士…なるほどねえ」

「……え?」


選り好みしてるという噂がやはり出回っていたということか。事実とは随分異なるのだが、結果だけを見ればそう感じてしまうのも無理はない。


「やっぱり容姿がイザベラちゃんに釣り合うくらい良くて、能力もAかBランクしかダメなんじゃないかって言われてたからさあ。俺には紹介できる人がいなくて。無事に見つかってよかったねー」

「えっ、待って?そんな条件出してないわよ。強いて言うなら、職業が盾かヒーラーなら嬉しいという希望はあったけど…やっぱりその二つの職業って人気なんでしょう?一人も紹介してもらえなかったわ」

「え?いや、どちらもいるはずだけど…もちろんそこまでランクは高くないよ。でもCやDランクでも良ければ、何人かは紹介できるはず」

「……え?」

「たとえば、白魔道士のシャーロットちゃんにはもう会った?」

「いいえ?」

「おかしいな。彼女はCランクで、とても有能だよ。…ちょっと性格に癖はあるけどね」

「知らない。聞いたことないわ…」

「そう?じゃあせっかくだし会ってみる?明日の昼頃とかどう?」

「いいの?お願いするわ!」

「オッケー、予約入れとくね」


ビルが端末に素早く何かを入力してから、にこりと微笑み掛けた。もしかしたら仲間が揃うかもしれないと高揚したが、どこか引っ掛かりを覚えずにはいられなかった。


(ロビンは知らなかった、なんてことないわよね…?私の希望は真っ先に伝えてあったはずなのに)


ビルの話では、他にも複数居るような口振りであった。嘘をついている様子にも見えない。


(だったら嘘をついているのは…ロビン…?)


あの律儀で仕事熱心な男が?イザベラの胸に小さな疑惑の芽が生じた。

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