〜プロローグ〜
今回はプロローグのみ。キャラも特に話しません。サブタイトルのつけ方わからず無知ゆえに作品内にプロローグと表記してしまいました。見過ごしていただけると幸いです。
少女は今、とても集中している。その集中力たるや、神から悪魔...果ては魔王に勇者までが集うこの謎の神工島の中でさえ群を抜いて研ぎ澄まされているような代物。一体何に集中しているかと言うと...
「むむむ...ふゃっ!」
変な声をあげながらも少女は自らのうちにある力を放とうと全身全霊で掌をパーにして腕を突き出す...が何も出ず、結果も生まれない。
少し戻り、少女が何をしていたか...の説明をしよう。ただその前に深く知るためにはまずこの島のことを解説せねばなるまい。ここ、銀翼島は総人口約6億人を抱える神工島である。神工島と呼ばれる所以...この地を創造した者たちは皆が神であったという言い伝えから来るもの。実際この島の技術たるやそれまで生きてきたどの魔族や人間、神族に至るまでが解析できないほどに高度。別名で「神々の方舟」とすら呼ばれている。
そしてようやく本題である。この少女ティルスはある日突然現れた。だが何故か魔力、神力、妖力のどの力も持っていない。それはこの世界全体ですら初のこと。ある者は無力者であると蔑み、ある者は遠い未来にその力の奔流が世界を救うと崇拝した。ただ彼女は納得がいかなかった。当然のこと。周りの人間全て何かしらの魔法や異能を持つのに対し己は何も持たない。認めたくない、だから今まで血のにじむような努力をしてきた。ある時保護者に止められたがそれすら振り切り努力し続けた。先程の集中も傍から見ればおかしな光景、そこに至るまでの過程も何もかもが彼女の必死さの形である。
そしてこれはそんな努力絶やさぬ少女と少女に振り回されながらも彼女のことを愛する沢山の者たちが描く物語である。
気分であげていきますので更新遅くなるかもしれません。
次回「保護者」