プロローグ
001
神聖ロドストロ歴52年アルフォルド王国に3人の王子が生まれた。
本来の王位継承順位は早く生まれたほうが先なのだが、同じ年ということで母親の身分で順位が定められることとなった。
正室を母に持つ第1王子のバラージュは幼少のころから努力を惜しまない性質を見せた。天才と呼ばれるような光るものはないが、勉強をさせると理解できるまで何度も質問し、自分が納得するまでいつまでも続けるのだ。
魔法を例に上げると、その才能は平均程度だが、使える魔法はどんどん覚え、さらに上手く組み合わせることにより、より上位の魔法士とも互角にやり合えるだけの実力を持っていた。
アルフォルド王国にふさわしい賢王となるのではないかとバラージュを知る者たちは口々に噂した。
側室を母に持つ第2王子のカプラスは兄と反対の天才型で、いわゆる1を聞いて10を知るようなところがあった。しかも人並み外れて好奇心が強く、知識欲も旺盛で、家庭教師をつけると質問攻めにする。
そして、ごく短時間で家庭教師に学び尽くし、さらに高等教育を受けた家庭教師を欲しがった。
また、魔法にも才能があり、さらには錬金術にも関心があり、ついたあだ名がちびっこ賢者。兄を支えて内政を担えば王国はますますの発展すると期待されていた。
そして王がたわむれに手を出した平民の母を持つ第3王子がクリート。前世はVRMMORPGの廃ゲーマーだった転生者にして――なんのチート能力も持たず、魔法は最低限度、学業は苦手。マヨネーズの作り方もノーフォーク農法も知らない役立たず。
ゲームとはいえ没入型VRで身につけた剣術を転生先で試すべく、勉強を放り出し、可能なら一日中でも剣を振りまわしているだけの出涸らし王子。
それが僕だ。
これだけではあんまりですので、本日中にもう1話投稿します




